最西端へ

地球にペタ



最端」というのは、なぜか旅心をくすぐります。
世界最西端の国は、北緯38度41分、西経9度30分に位置するポルトガルの「ロカ岬」がユーラシア大陸西の最果てといわれてます。「深夜特急」や「ここに地終わり海始まる」を読んだ人は、いつかこの地に立ってみたいと想い焦がれる人も多いはず。
私もそんな1人でした。まずは、リスボンから電車でカスカイスまで昼過ぎに出発。カスカイスは大西洋に面した美しい海岸線が続く小さな港町で、きれいに整備されているのが印象的な街並み。別名コスタ・ド・ソル(太陽海岸)と呼ばれ、スペインのコスタ・デル・ソル同様、ヨーロッパ各地から訪れるたくさんの観光客で賑わっています。ここからバスでロカ岬へと向かいます。その前に、バスが出発するまでの1時間半を時間つぶしで街を軽く見学。街は地中海のリゾート地に似た雰囲気でいて割に物価が安いので、滞在するのにも良さそうなところでした。
午後3時半、ロカ岬行きのバスに乗り、約30分でロカ岬に到着。午後も遅い時間だからか、乗客はのほとんどが地元民でした。途中、窓から大きな競技場のような施設が見えてきました。それは、F1やMotoGPが開催されるエストリル・サーキット場ではないですか!ちょっと得した気分になったのは私だけでしょうか。。
午後4時、車窓を楽しんでいる間にロカ岬に到着。下車したのは私ともう一組のヨーロピアン風の旅人だけ。岬にも誰もいません。風だけが音を立てて吹いています。海に向かって十字の石碑がぽつんと立ち、辺りは西の果てにぴったりの寂しさが漂っています。でもロカ岬を独り占めしているようで気分がいいです。ここがユーラシア大陸西の果てか。と思うと感慨深いものがあります。どうせなら太陽が沈むところまで見届けたいと思い、ただの絶壁で最終バスの6時半まで過ごすことにしました。石碑以外何も無いの場所だから当然他の人達は次のバスで帰ってしまい、とうとう誰もいなくなってしまいました。
さて誰も見てないし何しようかな。。そうだー誰よりも西に立ってみよう!とバカなことを考えてみる。太陽に向かい絶壁の下の大きな岩を3つくらい下りて、岩に腰をかけ正面に太陽と海を見ながらスナックを食べる。あーとってもいい気分♪それにしても、観光地の上、大西洋が見渡せる最西端だというのに誰もいない。こんなシチュエーションもそうないぞ。
間もなく、陽もだいぶ傾きさらに風も強くなり、身体が冷えてきたので岬の食堂風のカフェでバスが来るまで待機しているとバスが来る前に店閉まる。外に出て店の壁にもたれて風をしのいでいると、なんだかとてもメランコリーな気分です。30分ほど壁に寄りかかって本を読んでいると、ようやく誰も乗っていない最終のバスがやって来ました。何故だかとても嬉しくなってバスに向かって手を振ってみました。太陽はまだ海の上にあり、日没まではいられなかったですが、陽が沈み暗くなった岬で1人バスを待つのもかなり心細いでしょう。
こんなに長い時間をロカ岬にいた人もそんなにいないんじゃないかな。

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