ワタリガラスの神話

地球にペタ




絵本収集は趣味のようなもので
各地で数冊買っています。
今回はワタリガラス神話の絵本を購入しました
ワタリガラスはRAVEN(レイベン)と呼ばれています
クリンギット族のなかでは
ワタリガラスは世界の創造主だと語り継がれています。
しかしそれは「神」のような扱いではなく
やんちゃでいたずらが好きで
気まぐれや偶然で世界を創ったといわれています
空を飛んでいて「暗いなぁ」と思えば星をちりばめてみる
気まぐれに地上に動物を創ったけど
創りそこねて人間というおかしな生き物を創ってしまった
自然科学的な観点によるとワタリガラスは
「エモノを多くの動物と分け合う鳥」で
 死んでいるクマを見つけたとしても
カラスのくちばしでは分厚い毛皮と皮膚を
引き裂いて肉にありつくことは出来ない
そこでワタリガラスは手近なところにいるオオカミを探して
連れてきて毛皮を剥いでもらう
オオカミに食べ物のありかを教えて食べ物にありつける。
だからクリンギット族の人たちの間では
「ワタリガラスについていけば獲物にありつける」
といわれています

地球にペタ



星野道夫「ワタリガラスの神話」より
ワタリガラスがこの世界に森をつくった時
生き物たちはまだたましいをもっていなかった。
人々は森の中に座りどうしていいのかわからなかった。
木は成長せず動物たちも魚たちもじっと動くことはなかった
ワタリガラスが浜辺を歩いていると
海の中から大きな火の玉が上がってきた。
ワタリガラスはじっと見つめていた。
すると一人の若者が浜辺の向こうからやって来た。
彼の嘴は素晴らしく長くそれは一羽のタカだった。
「力を貸してくれ」
通り過ぎてゆくタカにワタリガラスは聞いた。
あの火の玉が消えぬうちに
その炎を手に入れなければならなかった。
若者は地上を離れワタリガラスに
言われた通りに炎を手に入れると
ものすごい速さで飛び続けた。
炎が嘴を焼きすでに顔まで迫っていた
若者はその熱さに泣き叫んでいたのだ。
ワタリガラスは言った。
「人々のために苦しむのだ。
この世を救うために炎を持ち帰るのだ」
やがて若者の顔は炎に包まれ始めた
ついに戻ってくるとその炎を
地上へ崖へ川の中に投げ入れた。
その時すべての動物たち
鳥たち魚たちはたましいを得て動きだし、
森の木々も伸びていった・・・・・・・。
日本神話にも登場するヤタガラス(八咫烏)も
ワタリガラスではないかと言われています。

地球にペタ


6 comments to “ワタリガラスの神話”
  1. SECRET: 0
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    面白い神話ですね~。
    生き物みんなが魂を持っていなかったときに、
    なぜワタリガラスとタカは魂を持っていたのか・・・ 
    何かを暗喩しているような物語ですね。-。-;

  2. SECRET: 0
    PASS:
    ワタリガラスは翼と知恵とで
    実現させてしまう伝説が
    語り継がれています。
    ここからは憶測ですが
    きっと自由に飛び回る渡り鳥
    は世界を自由に操る者だと
    思ってたのでしょうかね。
    勉強不足ですみません。

  3. SECRET: 0
    PASS:
    本当にそうですね。
    気まぐれなのか必然なのか・・
    地球は人間が中心ではないことを
    あらためて感じさせられました。

  4. SECRET: 0
    PASS:
    面白い話ですね。神話は語り継がれている事自体、神秘的な事でもあるので、その話には何か意味が隠されているように感じます。また面白い話教えてくださいね

  5. SECRET: 0
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    クリンギット族はアメリカ人であっても
    日本古来からある自然崇拝の精神が
    根付いています。同じモンゴロイドとして
    とても共感できる部分もあります。
    今はアメリカ人、日本人と国で区切っていますが元をたどれば私たちは同じ祖先の血が流れているんですね。

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