首都ハノイと豊かな自然を巡る旅

公園や湖の緑が輝く政治と文化の中心地ハノイ。
フランス統治時代の黄色い建物や
小さな商店がひしめく旧市街を
凄まじい数のバイクが行き交い
歩道の脇を円錐形の藁帽子「ノンラー」をかぶった
物売りが天秤棒を担いで歩いている風景は
まさに絵に描いたベトナムそのもので異国情緒を誘います。
ハノイの近郊には、ベトナムの陶器村として名高いバッチャン
豊かな水に湛えられた石灰岩の奇岩が林立する景勝地ニンビン
世界遺産の海ハロン湾など、美しい景色とのどかな田園風景に
昔ながらの暮らしと伝統文化が現代に息づいています。

首都であるハノイは、日々めまぐるしくその姿を変えている
ホーチミンの影にかくれてしまいがち。
でも実はホーチミン以上に見どころが多くて
とても面白い街なのです。

ハノイ観光で外せないのがホーチミン廟。
ベトナムの民族的英雄である革命家ホーチミンさんの
遺体が安置されている総大理石造りの廟。
ベトナム国民からは「ホーおじさん」の愛称で
呼ばれている大変尊敬される人物。
ホーチミンさんなしに今のベトナムは語れません。
腐敗処理された遺体が一般公開されています。
廟内は軍人により厳重に警護されており
私語厳禁で立ち止まることは許されません。
また、入室前のセキュリティもかなり厳しく
事前にカメラなどを預けておく必要があります。
それでもベトナム国民をはじめ
ホーチミンさんを一目見るために
朝からすごい行列ができています。
廟の前には微動だにしない衛兵が24時間警備し
1時間毎に衛兵交代式を24時間行います。

ライトアップされた夜のホーチミン廟もおすすめ。
涼しくなる夜の広場は市民の運動場となっています。
ちなみに毎年秋の2か月間は
遺体のメンテナンスのため閉鎖されます。

ホーチミン廟から徒歩5分ほどのところに
池の中に一本の柱で支えられた小さなお堂があります。
ハノイが昇龍(タンロン)と呼ばれていた11世紀
子に恵まれなかった李朝の太宗が
観音菩薩の夢を見て子供を授かったことから
この寺が建立され、お堂内に観音様が祀られています。
今は子授けのご利益があるとされ
若い女性やご夫婦でお祈りにやってきます。
お寺は蓮の形をしており周囲の小さな池には
夏になると蓮の花が咲き誇ります。 

一柱寺の至近距離に位置する「タンロン遺跡」

ハノイはかつてタンロンと呼ばれ歴代の王都でした。
王朝が変わっても都が同じ場所にあり続けたのは
世界でも珍しいこと。タンロンとは昇龍と書きます。
1010年、ベトナムに最初の王朝「李朝」を開いた
リ・タイトが、この地で空を駆ける黄金の龍を
目撃したことが地名の由来です。
2002年、国会議事堂移設の候補地を調査していると
ここから歴代ベトナム王朝の多数の建築遺跡が出土しました。
ベトナム考古学史上最大級の発見です。
これらの遺跡はフランス占領時に破壊され
姿を消したと思われており多くの人々を驚かせました。
2010年に「昇龍皇城遺跡の中心地」として
世界遺産に登録されました。

タンロン遺跡からハノイ駅方面へ向かう途中に
1070年に建立された学問の神である
儒教の祖・孔子を祀る廟があります。
1076年には境内にベトナム初の大学が開設。
亀の形をした台座に乗った科挙合格者の
石碑が並ぶ奎文閣は有名です。
この亀の頭の部分に触れると頭がよくなると言われており
学業成就の祈願や、アオザイや大学帽をまとって
合格や卒業を報告に訪れる学生さんをたくさん見かけます。
学生さんたちの希望に胸を膨らませ輝いている顔を見ていると
何だかこちらまで晴れ晴れしい気分になります。

文廟からハノイの中心に位置する緑が美しい
市民の憩いの場ホアンキエム湖へ。
15世紀にレロイ王が湖に棲む亀から剣を授かり
明軍を撃退したという伝説の湖。
湖には伝説の巨大亀が生息していると言われていましたが
ついに2011年、100歳を超える体重200キロもの巨亀を捕獲。
テレビや新聞を騒がせました。
亀は湖に戻され今も時々
水面からその巨体を覗かせるそうです。
見つけたらご利益ありそう。
ホアンキエム湖、要チェックです。

ホアンキエム湖の東に広がる旧市街は
ハノイで最もエネルギッシュなエリア。
行き交う大量のバイクや
天秤棒を担いだ物売りに気をつけて
小さな商店がひしめく通りを歩けば
きっと面白い出会いがあるはず。
ハノイっ子に混じって街角のカフェやハノイ名物の
焼き肉つけ麺「ブンチャー」を食べたり
雑貨を探したり、喧噪さえ楽しんでしまいましょう。
ハノイの都市が発展しても
ここだけは失われて欲しくない風景です

旧市街に鎮座するハノイ大教会。
高さ約22mの2つの尖塔を持つ大聖堂は
パリのノートルダム教会を手本に
1886年に完成したゴシック様式の教会。
でも、パリのものと比べてはいけません笑
教会内のステンドグラスはベネチアから運ばれてきたもの。
教会に向かって左側の門から中に入ることができます。
お祈りの邪魔にならないように静かに見学します。
窓にはめ込まれたバラ窓の美しいステンドグラスに魅せられます。

ホアンキエム湖のほとりにある
千年の伝統を伝える水上人形劇場。
水上人形劇は元々、農民たちが農作業の気晴らしと
豊作を祝った大衆娯楽からはじまり
今では世界中で公演される伝統芸能へと成長。
民族楽器の生演奏に合わせたコミカルな動きが
水上人形劇の面白さ。
言葉を理解する必要はありません。
キモカワ系の人形たちを見に訪れる旅行客で連日大盛況
早めの予約をおすすめします。

旧市街から3キロほど北西に位置するハノイ最大のタイ湖。
散歩する人やジョギングする人、デートをしている人など
ゆったりとした時間が流れる市民の憩いの場。
朝霧や夕景は特に美しく幻想的。
そんなタイ湖周辺は最近お洒落なカフェや
美味しそうなベーカリー、高級食材店
チョコレート専門店、インテリアショップなど
個性的なショップが続々オープン。
湖畔に建つインターコンチネンタルではリゾー気分も満喫。
これからますます目が離せない注目のエリアです

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