イスラム地区にあるカイロ屈指の巨大スーク(市場)ハン・ハリーリは
ショッピングに興味がなくても一度は歩いてみたいところ。
14世紀に隊商宿が立ち並んでから、ここは賑わいの中心となっている。
無数の路地にありとあらゆるものがひしめき、旅人の目を楽しませてくれるのだ。
スークは同じような店や路地がたくさんあり、道を覚えているつもりでも方向感覚を失う。
道に迷ったと思ったら、あるいは待ち合わせはスークの入り口に立つ
12世紀に創建された由緒あるアル・フセイン・モスクを目印にするといい。
パンを売る少年。この体勢のままで商売をしている。おそるべしバランス感覚。
うず高く積まれた布やみやげ物。ベリーダンス衣装、香辛料、水タバコ、金銀製品、革製品・・・
店をのぞけば必ず引き止められる。ここでは価格表示がなされていない。
言い値から交渉を始めるので、すぐには買えない。
紅茶が運ばれ座って会話を楽しみながらじっくりと交渉する。
そうして半額に近いところまで値下げ交渉するのだ。
交渉が面倒な人や時間がない人は、ここでの買い物はほぼ損をする。
スークにエネルギーを吸い取られたら、ミントティで落ち着こう。
スークを包み込むかのようなアザーンの声、色とりどりのスパイス、香辛料の香り。
そんな風景は、かつて大ヒットした「異邦人」という歌を思い出させる。
子供ながらエキゾチックなイントロにゾクゾクしたものだ。
異邦人がテレビで流れる度、私を空想旅行に連れて行ってくれた。
同じ頃にヒットしたゴダイゴのガンダーラもそうだったな。
きっとそんな子供時代がこの「空想地球旅行」にも繋がっているのだろう。