クロアチアの首都ザグレブは、赤いハートの飾り「リツィタル」が
伝統工芸品として、ユネスコの無形文化遺産に登録されている。
ジンジャークッキーを長期間乾燥させたものに装飾を施したもので、
愛する人への贈り物やクリスマス用の飾りとして古くからこの地で親しまれてきた。
特にこの時期のザグレブは街中ハートで溢れている。ハート好きにはたまらない街だ。
伝統的なハート柄で装飾されたクリスマスツリーオーナメントが素敵。
これを飾るだけでもいつもとちょっと違うツリーになりそう。
ところでクリスマスツリーの飾りにはそれぞれ意味がある。
ツリーのトップの星はベツレヘムの星。
東方の博士たちを幼子イエスへと導いた星を表している。
オーナメントはアダムとイブが食べたリンゴを象徴している。
そしてツリーの光はマルチン・ルターの考案と言われる。
ある夜、礼拝の帰りにモミの木の森の向こうに広がる満天の星を見たルターは
モミの木にロウソクを飾り星の光に見立てたそうな。
日本でも最近見かけるアドベントクランツは11月の下旬から花屋さんで売っている。
クリスマスリースに4本のロウソクを立て
クリスマスの4週前から日曜日ごとに1本のロウソクに火をともす。
4本目にロウソクに火がともるとクリスマスはもう目前。
楽しみながらクリスマスまでの時間を待つ伝統的な習慣だ。
アドベントは「到来」を意味する。
キリスト生誕の12月25日の4週間前の日曜日から
24日のクリスマスイブまでをアドベント(待降節)」という。
この日からクリスマスに向けて準備を始める。
一般的にアドベント中にクリスマスマーケットが開かれ12月24日に終了するが
ここザグレブは東方の三博士がイエスキリストの元を訪れた1月6日の公現節まで開催される。
ザグレブのクリスマスマーケットは2016から3年連続
ヨーロッパベストクリスマスマーケットに選ばれた輝かしい経歴を持っている。
街中にはそれぞれ趣の異なる14のクリスマスマーケットが立ち人々を楽しませている。
町おこし的なノリは否めないが、それでも極寒の街が
イルミネーションに包まれれば誰だって外を歩きたくなるものだ。
サンタクロースが運転するスペシャルなトラムは子供たちに大人気。
ザグレブのアイコン聖マルコ教会も柔らかな光に照らされていい雰囲気。
教会に突き当る路地はいまだにガス燈を使用していて
人の手によって1つずつ明かりが灯されてゆく。