最後の停車駅はアウトバックの荒野にあるマングリという停車場。
あるのは赤土に敷かれた線路だけ。
列車を降りると大型バスが8台ずらりと並んでいる。
バスでクーバー・ピディの町へと向かう。
クーバー・ピディィという町は世界のオパール採掘のメッカ。
ほとんどの住人はオパール採掘現場で働いており
一攫千金を狙って世界50カ国、約5000人が暮らしている。
ここではアウトバックの灼熱から逃れるために地底生活を送っている。
オパール採掘跡の穴を利用したダグアウトハウスと呼ばれる洞窟に住み
教会やホテルも地底に揃っている。
オパール坑道跡を見学する。今も砂岩の層と層の間にオパールの原石が輝いている。
次回訪れる機会があれば、つるはし持参でこっそり掘ってみようか。
ランチは採掘跡の穴蔵で。ここでも酒をガンガン飲む平均年齢70歳を超えるゲストたち。
列車の旅ができるくらいだから元気で当然だが若さの秘訣は旅行をすることなのかもね。
セルビア人コミュニティによって建てられた地下の正教会。
祭壇の前にはろうそくが灯され、厳かな雰囲気。
外は人の気配が全くない。削によって築かれた土の山と重機。
まるで死んだ町みたいだ。荒涼とした風景は映画
「マッドマックス/サンダードーム」や「プリシラ」のロケ地にもなった。
列車に戻ると、サンセットカクテルパーティの用意がされていた。
アウトバックの景色ともこれでお別れ。
今宵のディナーは、エビと豚肉、ナスのピューレの点心の前菜、
カンガルー島産ラム肉のバックストラップ
デザートはチョコレートのスイーツ、ラズベリーソルベ。
最後のディナーでは、ゲストの一人が誕生日でホールケーキが運ばれてきた。
ダイニングカーに居合わせた乗客全員でバースデーソングを歌い
拍手とともに心から祝福をした。これも約3000キロをともにした鉄道旅のだいご味。
ケーキもおすそ分けをいただいた。