私自身は霊感のようなものは無いですが、幼い頃から時々不思議な体験をしてきました。
特に旅先では疲れ果てて寝るので感じる間もなく朝が来ます。
そんな私が唯一不思議な体験をしたのがホーチミンを代表する格式ある
「マジェスティックホテル」。
マジェスティックサイゴンは、1925年開業のフランス統治時代から続く歴史あるホテル。
フレンチ・コロニアル・スタイルの外観はサイゴン川畔でひときわ目立つ存在。
各界の著名人が滞在し、ベトナム戦争時代にはジャーナリストの拠点として使用されました。
開高健も朝日新聞社の臨時特派員としてとして、ここを取材の拠点に活動していました。
103号室は「開高ルーム」と呼ばれ、彼が滞在していた当時の面影を残しています。
ロビーは大理石のタイルにシャンデリア、重厚な家具にステンドグラスと格式高く
ノスタルジックな雰囲気もいい。窓の外の熱帯の熱い空気もバイクの騒音も忘れてしまう。
いつもの通りぐっすり眠っていたところ、突然電話のベルが客室に鳴り響いた。
寝ぼけながら電話に出ると「アーユーミススズキ?アーユーミススズキ?」
と男性の声。寝ぼけながら「イエス」と答えると「エブリシングオッケー?」と聞いて来る
「イエス」とだけ返す。「オッケーサンキュー。バイバイ」と言って電話が切れた。
時計を見ると午前2時を回ったところ。
翌朝フロントで、夜中に電話をかけてきた理由を聞くと
「こちらからは誰もお電話をしていません」との返答だった。
そりゃそうでしょうね。夜中の2時にゲストの様子を確かめに電話をするなんてあり得ないし。
古いホテルだから、当然幽霊話はいくつかあるのだけど(ホテルも認めている)
死んでもまだゲストを気遣う心優しい幽霊なんて映画になりそう!
その後何度か滞在したけれど、電話はかかってこず。
ちょっぴり淋しい。