サイパン北部の道路沿いに大きなバンヤンツリーが立っている。
地元では「タオタオモナの木」と呼ばれている。
タオタオモナとはチャモロ族に伝承される人々にいたずらをする小さな精霊。
この大きなバンヤンツリーはタオタオモナの棲み家だと伝えられている。
垂れ下がる気根の内側に入ってみると風が吹き出した。
外に出ると風は止む。中に入るとまた風が吹きだす。
タオタオモナのいたずらだろうか。
タオタオ=人、モナ=最初。チャモロの人々は
サイパンは先祖の精霊に守られている島だと信じ今も精霊に敬意を払っている。
地元のチャモロは何かを始める前に精霊に祈る。
植物や島にあるものを取るときも必ず精霊に許しをもらう。
私たち旅行者が海で遊び山に入る時も地元のガイドさんたちは、
精霊がいたずらをせず、みんな無事に戻って来られるように心の中で祈ってくれている。
しかし、数年前に襲来した台風で重さに耐えきれず
タオタオモナの木は傾いてしまった。
幸いにも根は張られたままなので元気そうで何より。
きっとタオタオモナが頑張って支えたんだろう。