巨樹の声が聴きたい vol.5
横たわるキアヴェの木

2016年8月台風の夜、ワイキキを代表する歴史リゾート「ハレクラニ」のシンボル

樹齢129年の木アヴェの木が、深夜人知れず倒れた。

台風の夜半ということもあり、レストランや木の近くには誰もいない状況だった。

この時間まで何とか耐え踏ん張ったのか。そんな意思すら感じられる木霊が宿る巨樹だ。

倒れてから約1年が経ち、ホテルは創立100周年を迎えた。

キアヴェの木は、倒れながらも地面に根を張り生き続け

大樹の幹からは100周年を祝うかのように新芽が息吹いてきた。

ハレクラニの敷地には美しいガーデンがあり、ハワイの神話に登場する植物が迎えてくれる。

オヒアレフアは、ハワイの神話に登場する火山の女神ペレの化身と言われている

ハワイの固有種。珍しいイエローのオヒアレフア「レフアマモ」もガーデンに咲いている。

その名は、かつてハワイ島に住んでいた蜜吸鳥「マモ」へのオマージュ。

黄色と黒の羽を持った小さな美しい鳥は

王族のマントをつくるために乱獲され絶滅したと言われている。

「長年立っていたので、横になって海を眺めているのよ」。

ハレクラニのスパ・セラピストのヒイナニ・ブレイクスリーさんは

キアヴェの木を優しく撫でていた。

 

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