トルコ南東部の都市ガジアンテップは古代遺跡、歴史、食文化など、観光資源が豊富な街。
シルクロードの面影が残る旧市街をぶらぶら街歩きするのは楽しい。
旧市街の入り口のこんもりとした丘の立つのはガジアンテップ 城。
その後、東ローマ帝国の支配下となり城塞として拡張されセルジューク朝、
十字軍を経てオスマン帝国崩壊後に侵略しようとしたフランス軍に対する英雄主義と
ガジアンテプの防衛を記念する博物館となっている。
城内は博物館になっていて、オスマン帝国歴史からフランスとの戦い
トルコ共和国建国までの歴史、武器、文書、都市の防衛に使用された道具
地元の英雄をヒ讃える展示がされている。
第一次世界大戦後、オスマン帝国崩壊でフランス軍が進駐。祖国解放戦争中、
市民はガジアンテップ城に立てこもり抵抗した。
生き残った人には戦士を意味する「ガジ」の称号が与えられた。
ガジアンテップの「ガジ」は、生き残った戦士の称号。
しかしこういうオブジェは如何なものか。一瞬焦ったわよ。
ガジアンテップ城の前を走る目抜き通りの職人街にたくさんの靴屋が軒を連ねている。
店内を覗くと靴職人が皮を縫い合わせ黙々と手仕事で靴を作っていた。
シルクロードの中継地として栄えていた頃は、荒野を歩き続けてボロボロになった靴を脱ぎ
新しい靴でまた旅に出る。そんなリフレッシュできる場所だったのだなあ。
そんな面影が見えてくる。
街角の路上カフェ。のどか。
ガジアンテップは銅製品が有名で銅製の食器や調理道具店が軒を並べる屋根付き市場がある。
軒先で打ち出しや彫金作業を姿が見られる。素敵な製品を見ているとつい欲しくなる。
しかしズボラな性格を考えるとカップや鍋が可哀想だと諦める。
バザールに接する昔のキャラバンサライまたはハーンと呼ばれる隊商宿がそのまま残る。
何世紀にもわたって街を見てきた旅の証人は、今やブティックホテルやレストランとなって街に溶け込んでいる。ここバヤザンハーンには郷土博物館があり、ガジアンテップの歴史と伝統文化、手工芸などの様子をマネキンが当時を再現し展示している。
ハーンの一角を利用した雰囲気のいいバー。トルコのブドウの蒸留酒「ラク」を楽しんでは?
トルココーヒーは銅製の小鍋にコーヒーと水を入れて
炭火で煮立て美しい銅製の小さなカップでいただく。
フィルターでこしたりせず、コーヒー液の上澄を器用に飲む。
カフェ文化発祥の地のらしい飲み方も道具も伝統を感じさせる。
羊肉料理の店先に可愛らしい羊の置物。
モンゴルで生きた羊をさばいた時に聞こえた断末魔の声がフラッシュバックした。
古いモスクの隣にある屋内バザール。スパイスや陶器、オリーブオイル石鹸などが
軒を並べるショッピングストリート。適当なお土産はここで調達できる。
通りすがりで見つけた料理博物館。1905年に建てられた街の有力者の家屋を博物館に改装し
当時の暮らしや郷土料理を紹介している。コタツを囲んだマネキン家族の団欒風景。
コタツは日本独特の文化じゃなかったのね。
そういえば旧市街にもオープンコタツカフェがあったっけ。
旧市街のランドマークとも呼べるジルバニモスクの天を突くようなミナレット。
高い建物は他にないのでよく目立つ。建設年は不明だが14〜15世紀に建てられた古いモスク。
お祈りの時間外だったので中に入れてもらった。
内部はシンプルだが清潔で安堵感に包まれている。
現地のガイドさんはこんなことを教えてくれた。
お祈りの際には顔、首、手、足など露出している部分を清めるのは清潔を保つため。
一日5回の礼拝もそれ自体が運動の動作であり足腰の運動になる。
日常生活を健康に生きるために理にかなった行いなのだ。
通りすがりのパン屋さん。外で見ていたら胸に手を当てて挨拶をした。
あらためてとてもスマートな国だと思う。わたしはおじぎをして答えたが
本当はどうすべきだったのか。
日が暮れてもたくさんの人々が街歩きを楽しんでいる。
夜はキャラバンサライを改装したレストランでガジアンテップケバブを食べよう。