トルコのイスタンブールでブルーモスクやアヤソフィヤといった壮大な建築物に感嘆する傍で
目にするのがカフェやレストランでくつろいでいる野良犬や野良猫。
イスタンブールで暮らすネコは人間を全く警戒しないどころか人間を信頼しているようだ。
トルコ国民がネコに優しいのは、イスラム教の預言者ムハンマドがネコをかわいがっていたからだと説がある。
つい先日のニュースでは、母猫が子猫くわえて人間の病院に連れてきた写真が掲載されていた。
病院スタッフも新型コロナウィルスの感染者らの治療に追われている最中にも関わらず緊急対応し、母猫とともに動物病院へ連れて行ったという。
路上には住民たちが置いてくれたえさがある。雨が降れば店の中で休ませてあげる。
ネコもそれが当然のように振舞っている。
この街に暮らすネコは17万匹とも言われている。歩道に店先にゴミ箱の上に
目を移せばそこにネコが居る。イスタンブールは名実共にネコの街なのだ。
ペットでもないのに雨風をしのげる小屋まで置いてくれているし、
野良の動物にはワクチン接種する。治療やケアが終わるとマイクロチップを装着されて
元いた場所に戻される。
行政と市民と獣医師が一体となってネコの保護活動が積極的に行われている。
公園は時間を持て余している市民とネコの出会いの場。
彼らは求め合い、お互いに寄り添い癒される。
ネコだけじゃなく、野良犬にも狂犬病予防の注射や去勢手術を行い
耳にタグを付けて全て管理している。殺処分はしない。
イスタンブールは大型の野良犬が多い。見た目はちょっと怖いけど優しい目をしている。
街で吠えることも喧嘩することもない。
人影もまばらな海岸では子猫がひとりで遊んでいた。
子猫ながらも凛々しい顔でカメラ目線。
釣り人におこぼれをもらうニャン。
エキゾチックな街並みの中に溶け込みながら暮らす野良猫たちが
旅人を優しく迎えてくれる。