街やおうちで輝くクリスマスツリー。その起源はプロテスタントを導いたマルティン・ルター、または「ドイツの使徒」とも呼ばれる聖ボニファティウスとも言われていますが、いずれもドイツにありそうです。
クリスマスは、英語で「キリストのミサ」という意味で、もともとは教会に集い静かに礼拝する日でした。ある夜、ルターはモミの木の向こうに広がる満天の星の光をを再現するために、モミの木にロウソクを星の光に見立てて飾り、クリスマスのシンボルとして広め、やがて宗派問わずドイツに浸透していったと伝えられています。
その後、クリスマスツリーは、19世紀にドイツ移民によってアメリカに伝えられた。また、イギリスでは、ドイツ人の母を持つビクトリア女王の夫君でドイツ出身のアルバート公がウインザー宮殿で飾ったのが始まりとされています。
聖ボニファティウスは、宣教師としてゲルマン民族への布教に携わり、722年に教皇によって叙階され、ドイツの司教となりました。
724年にドイツ北部のフィツラーで、村人たちが「雷神トール」の宿る神木として崇拝していた樫の木を、聖ボニファティウスが切り倒しました。周囲の木々も下敷きとなって倒れた中で、若いモミの木が一本だけ倒れずに残っていたのをを見た聖ボニファティウスは、これからはモミの木をイエス・キリストという新しい信仰の象徴にせよと言ったとか。それがクリスマスツリーの発端になったと伝えられています。