カシュから50kmほど西へ
リュキアンウェイの南西に位置するレトゥーンは
ギリシア神話に登場する女神レトの名に由来する
リュキアの聖域。
ここで発掘された遺跡の重要性により
4km離れたリュキアの首都クサントスと共に
1988年に世界文化遺産に登録されている。
レトゥーンには、ギリシア神話の女神レト
ゼウスとレトの間に生まれた息子アポロ
娘アルテミスに捧げられた神殿と修道院、
泉、ローマ劇場などの遺跡が残されている。
アルテミスとアポロの母であるレトの名を冠した
最も大きな神殿は紀元前6世紀頃に建てられたもの。
さらに神殿の上に紀元前150年頃に
イオニア様式の6×11の列柱が建造された。
遺跡は修復を開始したばかりで完成に至ってないが
廃墟化した佇まいが時間と歴史の重みを伝えている。
アポロン神殿跡には、アルテミスの矢と矢筒
アポロンの竪琴がモザイクで描かれている。
ここにあるのはレプリカ。
本物はフェティエ博物館で見ることができる。
神殿近くでギリシア語、アラム語、リュキア 語の
3言語で書かれた碑文が見つかっている。
ここがまさに、ギリシアとオリエントの交点であった証。
ギリシア語は、当時は地中海方面の共通語。
アラム語はオリエントとの外交のための国際語。
本物の碑文はフェティエ博物館で見ることができる。
遺跡入り口にあった野生のオリーブ。
そのままかじると苦い渋い!
最初に加工して食べた人は偉い!
ところでギリシア神話女神レトのお話。
レトは古の神々でこの世界を支配していた巨人族
ティタン神族の女神。
ティタンという名前は「太陽神」を意味する
ギリシア語から来ている。
レトはゼウスに誘惑され身ごもる。
するとゼウスの本妻ヘラは怒り
太陽が当たる場所では出産できないようにした。
ある日、海岸で休んでいると目の前に島が現れた。
海中に沈んでいたその島は
太陽に当たったことがなかったことで
レトはそこで子供を産むことができた。
それがデロス島
生まれてきたのは太陽の神アポロンと
狩猟の神アルテミス。
出産後に海からクサントス川沿いを歩いて
現在レトの神殿がある場所に辿り着き
泉で子供たちを洗おうとすると地元民に邪魔されたので
レトは人々を蛙に変えてしまったそうです。
恐ろしやギリシア神話。