El Corazón de México

サン・ミゲル・デ・アジェンデ

グアナフアトから東へ約70キロ。メキシコのほぼ中心に位置する小さな街、サン・ミゲル・デ・アジェンデ。

かつては、メキシコシティとアメリカ南部を結ぶ「銀の道」の要所として栄えた要塞都市であり、今では多くの芸術家たちが集うアートの街としても知られている。

その魅力は世界でも高く評価され、米旅行誌『Travel + Leisure』の「2024年 世界最高の都市」ランキングでは、堂々の第1位を獲得。アメリカでは特に知名度の高い人気の街。歴史地区は2008年に世界遺産に登録されている。

16世紀に築かれたこの街は、石畳の道に歴史と文化が染み込んだコロニアル様式の建物。カラフルな街並み──そうした景観は他のメキシコの都市にもあるけれど、サン・ミゲル・デ・アジェンデには、静かで穏やか、けれどどこか洗練された他とは異なる独特の空気が流れている。街の中心に聳える建物はサンミゲル教区教会、通称パロキア教会。

街のアイコンとして愛されているピンク色の尖塔と精緻な装飾が印象的なパロキア教会は、17世紀この地に住む石工がヨーロッパの教会の絵ハガキを手本に設計したというもの。可愛らしい教会を中心に広がる趣ある街は、米大手旅行雑誌の世界観光都市ランキングで、人気都市1位を獲得しただけあり、欧米人の移住先としても人気が高い。また、多くのアーティストを輩出してきたアジェンデ芸術大学や語学学校があり、世界中から芸術家やスペイン語を学ぶ留学生が集まる場所でもあり、和やかな雰囲気。

アジェンデ美術学校の校内にはギャラリーやパロキア教会を眺めるカフェもあるので気軽に立ち寄ってみたい。スペイン語をはじめ外国人が学べる4週間のワークショップもあるので、滞在しながら旅行客もアートや語学学習体験ができるというのも大きな魅力。そんな開放的な雰囲気に惹かれる旅人も多いのだろう。

サン・ミゲル・デ・アジェンデの楽しみ方は、何といっても街歩き。世界文化遺産に登録された歴史地区には、コロニアル様式の町並みが美しく残されている一方で、洗練されたカフェやブティックが点在し、新しさと古き良きものが心地よく溶け合っている。

石畳の道を歩けば、色とりどりの花々とカラフルな建物が織りなす景色に出会い、どこを切り取っても絵になる光景。気ままに路地を歩きながら、素敵な雑貨や伝統工芸(アルテサニア)の店を巡れば、この街ならではの魅力的な時間が感じられる。

サン・ミゲル・デ・アジェンデは手工芸で栄えた町。アルテサニアス市場には、メキシコらしいカラフルな雑貨の数々がずらりと並ぶお土産探しにぴったりな場所。雑貨好きなら何時間でもいられるので時間をたっぷり取っておきたい。

カフェ イ チュレリア サン アグスティンは、サンフランシスコ教会の前に立つチョコラテとチュロスが美味しいカフェ。店内はいつも混んでいる人気店。

砂糖がけ、チョコレートがけ、煉乳入り、ヌッテラ入りから選べる。できたてのチュロスは何本でも食べられそう。

サン・ミゲル・デ・アジェンデから14キロ離れたヘスス・デ・ナサレノ・デ・アトトニルコの聖地は、サン・ミゲル・デ・アジェンデとともに世界文化遺産に登録されている。シンプルな外観とは対照的な、内部の「メキシコのシスティーナ礼拝堂」の異名を持つ聖墳墓礼拝堂のフレスコ画と金細工の装飾は圧巻。

聖墳墓礼拝堂の内部は、天井から壁、柱にいたるまで、びっしりと描かれたフレスコ画で埋め尽くされている。旧約・新約聖書の物語が豊かな色彩と劇的な構図で表現され、信仰の力強さをひしひしと感じさせる。金細工による華麗な装飾も相まって、その内部空間は圧巻。アトトニルコは、信仰と芸術が見事に融合した、メキシコが誇る聖なる美の殿堂でしょう。🌏

パロキア教会は内部も素晴らしいので、外観に満足せずぜひ教会内も見てほしい

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