メキシコシティから南東に470km、国内線で約1時間のところにあるオアハカ。
ここはメキシコの可愛いがぎゅっと詰まった町。16の先住民族が暮らし、
個性豊かな伝統文化が息づくアルテサニアの宝庫。
心ときめく織物や刺繍、ビビッドな彩色を施した小さな木彫りの動物アレブリヘス、
美しい光沢を放つ漆黒の陶器など、見ているだけでもワクワクする民芸品が町に溢れている。
オアハカはメキシコでも優良なコーヒー産地。町の小さなカフェでも、丁寧に淹れた美味しいコーヒーがいただける。そんなオアハカのソウルフードといえばチョコレート。市場には量り売りのチョコレート屋さんが並び、いろんなフレーバーを試食させてくれる。パンをスパイス入りホットチョコレートに浸して食べるのが朝の定番。
メキシコは浸して食べるのがお好き。
カカオをベースにした「モーレ」もオアハカを代表する食文化だ。
カカオといってもいわゆるチョコレートとはちょっと違う。
鶏肉などにかけていただくが、ほんのりビターなデミグラスソースのようで白いご飯にも合う。
オアハカ名物の「ケシケージョ」は、手で簡単に裂くことができる不思議なチーズ。
細長く伸ばしたチーズを毛糸玉のように丸めてヒモ状になっている「ヒモチーズ」。
クセがなく塩加減とミルクの風味が絶妙!
日本で売っているさけるチーズの発想のもとになったというもの。
メキシコ料理に欠かせない食材といえば、やはり唐辛子。市場には実にさまざまな種類のチリが所狭しと並んでいる。
赤はもちろん、黄色、緑、黒と色とりどり。さすが唐辛子の原産国だけあって、
そのバリエーションは圧巻で、国内では100種を超えるチリが知られているという。
書いているだけで喉がヒリヒリして、思わずむせてしまいそうだ。
東南アジアや中国、韓国でも唐辛子を使った料理はおなじみだが、そのルーツをたどれば、すべてはメキシコから。大航海時代のガレオン貿易によって唐辛子は海を渡り、アジアの食文化をも大きく変えていった。ビバ メヒコ!