アンコールワットから北へ1kmほど行ったとことろにあるアンコール・トム(大きな町)遺跡の中にそびえる、訪れる者に強烈な印象を刻む四面仏塔のバイヨン。
~12世紀、クメール王朝の最盛期を築いたジャヤバルマン7世は、チャンパー軍(現在のベトナム中部)に勝利した記念に、アンコールワットよりも偉大なものを建立することを望んだ。
悩んだ末、職人たちにそれぞれの想い描く姿を聞いた。
大乗仏教を信仰していた王ジャヤバルマン7世は、民の幸福と平和を願う民の為の寺院として王が心に抱いていた像と一致した1人の若い石工師の考えを取り入れた。それは、173の拈華微笑の観世音菩薩の顔を彫った四面仏塔を建てることだった。
寺院の着手と同時に王は癩(ライ)病にかかり、次第に肉体は滅び病み衰えてゆく中でバイヨンこそ自分自身であると建設に執念を燃やし、次第に愛する王妃や皇后、民までも離れてゆき、そして輝かしい栄光の時代は過ぎ去ってしまうのだった。
ついにバイヨン落成の日に王は盲目となり、その姿をみることなく寺院で1人死んでゆく~
これは三島由紀夫の戯曲「癩王のテラス」、バイヨン寺院を建立したカンボジアの若き王ジャヤバルマン7世が主人公の物語。
「肉体」と「精神」の「美」をジャヤバルマン7世とバイヨンを通して描かれた物語。美に永遠はない。永遠でないからこそ美しい。美意識の高い三島らしい作品です。ちなみに、この戯曲の初演は、北大路欣也が王役を演じたそうです。
バイヨンから王宮へと真っすぐに伸びる道を行くと、ラテライトと砂岩でできた高さ6mのライ王のテラスがあります。
そんな物語を読んだ後に、バイヨンとジャヤバルマン7世像を見比べてみると、その顔は似ているようにも思えてくる。そして、本の描写が実際に見た風景と重なり、王が生きていた当時の壮大な場面を想像する。バイヨンを訪れた人、これから行こうとする人もそうでない人も、また違った目線でのアンコールを楽しめる物語です。
3 comments to “バイヨンの物語”
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アンコールワットは本当に奥が深いですね
知らない事ばかりなので ビックリ
勉強 勉強 です!!!
ますます行きたくなりましたょ!!
もっと教えて下さい。
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こんばんは♪
行く前よりも帰ってきてからの方が
よりその国のことを知りたくなりますね。
その知識を持ってまた行きたくなるんですよね~
私も地球上に起きた、もっといろんなこと知りたいです。
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こんばんわ
ひろみさんの言われる通り僕も帰ってから結構その国の事をリサーチします、それが次への活力となると信じています。
本当にもっともっと地球を知りたいです。