近頃、アメリカの大自然を体験できるスポットとして人気の
グランドサークル。前回紹介したパウエル湖を中心に
半径230キロの円周内のエリアを指します。
有名なところでは、グランドキャニオン、ブライスキャニオン
アンテロープキャニオンなどがあり
30を超える国立公園と国立モニュメント
40を超える州立公園がこのエリアに属します。
その中で今もっとも注目されているのが、米国アリゾナ州北部
ユタ州との州境に走る赤褐色の断崖絶壁
バーミリオンクリフス国立モニュメント。
東京都の約2倍の面積に
知られざる絶景スポットが目白押しなのです。
バーミリオンクリフスは、ユタ州とアリゾナ州にまたがる
1189平方キロメートルに及ぶ連邦土地管理局によって
保護されているエリア。最近では一日20人限定で
入ることができる、砂岩の斜面が浸食されて
波がうねるような模様の「ザ・ウェーブ」が
TV等で紹介されているのでご存知の人もいるでしょう。
ザ・ウェーブを含む一部のエリアは
管理局の許可証が予め必要となります。
さらに一帯は観光開発がされてないため
未舗装道路を走らなければならないので4WD車は必須。
また道案内のサインも簡単なものなので
よほど土地勘がない限り個人でのアクセスはかなり難しい。
管理局公認の現地ツアーに参加するのが一番良い方法です。
入り口のパーキングに車を置きハイキングスタート。
ワイヤーパスと呼ばれるポイントに向かって
「スロット」という雨季に激しい雨水の流れによって
できた水路の道を歩いてゆきます。
途中まで「ザ・ウェーブ」へと向かう人たちと同じ道を歩きます。
30分ほど歩くと岩の割れ目が見えてきました。
ワイヤーパスの入り口です。
鉄砲水によって岩が浸食されてできた
細いスロットの中へと入ってゆきます。
道も壁も全て赤い。アンテロープキャニオンよりも
岩肌がゴツゴツしていて荒々しさを感じます。
今では岩の壁ですが、今から1億9000年前のジュラ紀
アリゾナ州、ユタ州、ネバダ州、ワイオミング州一帯は
広大な砂漠地帯でした。その砂が堆積して石化し
長い年月を経てこのような岩となったのです。
スロットを30分ほど歩くと「ホール」と呼ばれている
開けた場所に着きました。そこには岩壁の膝の高さに
先住民族プエブロインディアンが
2000年前に描いた壁画が残されています。
ビッグホーンシープや狩りをする人の様子などが
誰かのいたずら書きのように鮮明に残っているのに驚きです。
もともとはもっと高い場所にあったのですが
地上の砂が堆積して地面の高さが上がり
壁画は足下に近い位置まできてしまったそうです。
ということは、いつかの将来にこの壁画は砂に埋もれ
彼らの痕跡が一つなくなってしまうのでしょうか。
しかしこれも自然の摂理なのでしょう。
スロットはさらに続き、だんだんと細くなります。
横たわって道を塞いでいる大木や石を
冒険気分で乗り越えて進みます。
スロットを歩いていた数時間、誰もとすれ違わず
ただ谷を吹き抜ける風の音だけが聞こえていました。
世界にはまだまだ知らない場所がたくさんあります!
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一日20人限定なら、なんとか荒らされずに済みそうですね。^^
しかし、人気が出たら、予約待ちで何年待つことか・・・・。-0-;