博物館へ行こう

ベトナム中部の都市ダナン。
世界遺産の町ホイアンに訪れる空の玄関口でもあります。
中部最大の都市にも関わらず多くの旅行者は
ダナンを無視してホイアンへと直行してしまいます。
でもちょっと待って！
ダナンには他では体験できないものがあるのですよ。

２世紀末から17世紀にかけて
ベトナム中部から南部沿岸で繁栄したチャンパ王国。
12世紀には、アンコール王朝を
占拠したほどの勢力を持っていました。
チャム彫刻博物館はチャンパ王国の遺跡を保存する
ベトナム唯一の博物館。中部周辺から出土した
450の彫刻や芸術品を展示保存しています。
この博物館は世界でも珍しい
数々の彫刻に自由に触れることができます。
貴重な文化財に触れられる機会は世界でもそうありませんが
ここでは触り放題です。
触れて感じる素晴らしい博物館です。

写真のターラー菩薩は博物館唯一の仏教彫刻

チャンパ王国はヒンドゥー教のシヴァ神を
主神とし崇めてきました。そのためチャンパ彫刻は
ヒンドゥー教の神様を中心としたものが多く
時代とともに容姿の特徴が違いますが
全体的にしなやかで優雅なしぐさ
大きな目、長い鼻、情熱的な厚い唇を持ち
今見てもとてもエネルギッシュ。
写真はおそらくヴィシュヌ神と思われる。

写真はシヴァリンガ。オッパイ星人の円盤のようですが
これも立派な文化財。ヒンドゥー教でエネルギーを象徴する
ヨーニにオッパイがぐるりと囲んでいます。
かなりオリジナリティ溢れる造形です。

ダナンから車で1時間ほど走ったところにチャンパ王国の
聖域とされた世界遺産の「ミーソン遺跡」があります。
初期アンコー遺跡と共通する建築様式と
日干しレンガを使用した寺院が当時のまま点在します。
ただ、ベトナム戦争で多くが破壊されてしまい
完全な姿のものはありませんが
「失われた王国」の足跡を見ることができます

ミーソン遺跡を見学した後にチャム彫刻博物館を訪れると
より一層の理解が深まるでしょう。

教科書では教えてくれない歴史がここにある。

【取材協力 ベトナム航空】