砂漠の夜の魔法

 

ユダヤ砂漠の東の果て、死海の西のほとりにそびえる
岩山の要塞、世界遺産「マサダ」。
ユダヤの民が2000年に及ぶ離散の歴史が始まった地として
心に刻まれている場所。そんなマサダを背に
砂漠のど真ん中で先日公演された野外オペラ「椿姫」。
今年で4回目を迎えるイスラエルの
しかも砂漠の只中でオペラ。
あまりにも大胆かつ壮大なイベントは
世界から集まった観客たちを魅了した。

エルサレムから車を走らせること1時間半。
荒涼とした砂漠に立つ断崖の頂上に残された
巨大な遺跡「マサダ」を背に繰り広げるオペラ「椿姫」
19世紀のパリの裏社交界を生きた高級娼婦と
青年の恋と焦燥、翳りと破局の物語。

砂漠に突如現れたオアシスのように
たくさんも観客が会場へと吸い込まれて行きます。
砂漠の風に吹かれながら
この日のために特別にセッティングされた
ビストロやバー、カフェで
開演までのひとときを過ごします。
夜の砂漠をこんな風に過ごすのは
何とも贅沢な気分です。

夜9時。会場は観客で埋め尽くされほぼ満席。
これからオペラが始まる雰囲気とは思えない
熱気に包まれています。

 

舞台はファンタジーな演出で幕開け。
さて、この後オペラとどお繋がって行くのか。
観客は期待と不安で舞台に釘付け。
オペラは、音楽性ばかりが問われるのではなく
舞台美術、演劇的要素、舞踏など
多くの要素が取り入れられ表現されています。
また、オペラは演出家によって
同じ演目でも雰囲気ががらりと変わるもの。
ここでは、現代芸術やコンテンポラリー・ダンスが
盛んなイスラエルらしさが
全面に出されていて華やかかつユニーク。

 

 

娼婦と若者の出会いの戸惑いと愛の喜び
狂おしいまでの情熱をオペラのクラシカルな様式美と
現代舞台が違和感なく融合して表現さていて
幻想的な舞台にぐいぐい引き込まれて行きます。
幕が下りたのは深夜1時近く。
まるで不思議な夢を見ているような
砂漠に魔法がかかった夜でした。
来年は「トスカ」!

一日も早く情勢が落ち着くことを祈るばかりです。

 

 

 

 

 

3 comments to “砂漠の夜の魔法”
  1. SECRET: 0
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    凄い舞台ですね。
    想像すら出来ないことが、
    世界では行われているんですね。
    とても勉強になりました。
    感謝!

  2. SECRET: 0
    PASS:
    他の人のブログ経由で来ました(*^▽^*)ブログの書き方がお上手ですね♪更新頑張りましょう♪これを機に仲良くして頂けたら嬉しいです♪

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