ベトナム中部のホイアンから
車で90分ほど走ったところにある
密林に囲まれた聖なる山のふもとに
70を超える煉瓦造りの塔が
静かにたたずんでいます。
ここは2~17世紀頃まで
海上交易で栄えたチャンパ王国の聖地。
今も謎が多く残るチャンパ王国の聖地に踏み込んで
時空を超える旅にでかけよう。
ヒンドゥー教のシヴァ神を主神とするチャンパ王国。
インドとクメールの影響を受けた
7世紀から13世紀に建てられた
レンガ造りの祠堂が残されています。
祠堂は焼成レンガを接着剤を使わずに積み上げ
屋根はレンガを少しずつずらしながら
アーチ状に積んでいます。
壁面にはアプサラ(天女)が施されています。
建築技術からも、当時のチャンパ王国の
発達した文化が見て取れます。
また、祠堂内にはヒンドゥー教で見られる
男性の性器を象るリンガと
女性の性器を象るヨニが祀られています。
海のシルクロードで隆盛を極めたチャンパ王国。
言語はオーストロネシア系言語。
(主に南洋の島々、マダガスカル、
南はニュージーランドまで広がった語族)
度々、大越(ベトナム)や
アンコール朝と戦いますが
次第に領土を追われて南へと逃れながら
やがてミーソンから600kmも南の地に
追いやられてしまいます。
17世紀に滅んだチャンパ王国の
末裔たちであるチャム族は
今も海沿いの町ファンラン周辺で暮らしています。
聖域内には、古代チャム文字の碑文が残されています
しかし、今のところ確実に読める人がなく
解読できなそうです。
遺跡群はベトナム戦争時代に
民家の集合と間違えられて
爆撃され多くが破壊されてしまいます。
それでも、石像や壁に施された
アプサラの彫刻は今も残っています。
そんなミーソン聖域は
1999年世界遺産に登録されました。
踊るシヴァ神やブラフマーなどといった
ヒンドゥー教神のレリーフも見ることができます。
遺跡内の特設ステージでは、一日3回
ちょっぴり妖艶なチャム舞踊ショーが開催されます♡
さらにチャンパを知るなら
ダナン市内にあるチャム彫刻博物館へ。
チャンパ芸術の素晴らしさに触れることができる
一見の価値ありの博物館です。
入場料は40,000VND日本円でたったの200円ほど。