ミネラル豊富で美容効果が高く、パンケーキにかけて食べると
とっても美味しい世界中で愛されているメープルシロップ。
実は木の樹液で、採取は2月終わりから4月にかけてのみ。
しかもカナダとアメリカのほんの一部でしか採れないって
ご存知ですか?4月の初旬、貴重な自然の恵みともいえる
メープルシロップ作りに携わる農家を訪れてきました。
カナダの首都オタワ近郊には古くからメープルシロップを生むシュガーメープル(サトウカエデ)の林が広がっています。メープルシロップにはこんな言い伝えがあります。昔々の早春の頃、男が狩に出る前日に斧をシュガーメープルの木にさしたまま寝ていました。朝起きてみると、メープルの木から樹液が流れだし、下に置いてあった器に落ちて満タンになっていました。何も知らない奥さんは樹液を水だと思い、お肉と一緒に煮込んでしまいました。するとなんとも甘い、いい香りのとってもおいしいシチューが出来上がっていました。 シチューを料理した器のふちに付いていた何やら白いものをなめてみると、それはとっても甘い幸せの塊でした。これが、メープルシュガー(樹液を煮詰めて塊にしたもの)の始まりとなったといわれています。その後にフランス人植者たちによって持ち込まれたブリキや鉄の器などの道具が手に入るようになってから、シロップへと発展したそうです。 冬になる前にシュガーメープルの木に小さな穴を開けてチューブを差込みます。収穫期は3月~5月のたった2ヶ月。さらに木が目覚めて水分を吸い上げるのは気温-5℃~+5℃になった時だけ。根が一生懸命水分を吸ったものを分けてもらうわけです。しかし春を迎えても再び外気が冷え込めば、根は水分を吸い上げるのを止めてしまいます。だからメープルシロップ農家さんは収穫のタイミングを逃さないようにこの時期は泊まり込みで番をします。 木に穴を開けてチューブを差し込み樹液を摘出します。採取したばかりの樹液は無職透明。見慣れている茶色のメープルシロップとは程遠いものです。樹液の98%は水で残りの2%は糖分。この糖分がメープルシロップの素になります。 樹液を機械で水と糖分にある程度分離させてから
熱で蒸発させて詰めてシロップになります。
さらに煮詰めるとメープルバター、
もっと煮詰めるとメープルシュガー
固形寸前まで煮詰めるとメープルキャンディーになります。
バケツ40杯分の樹液でようやく1杯のメープルシロップが出来ます。メープルシロップがとてもありがたく感じてしまいます。
さらに、メープルシロップは樹液が採れた日の気温や樹液に含まれるバクテリアの量でシロップになった時の色が異なります。色は、ゴールデン、アンバー、ダーク、ベリーダークの4種類のカテゴリーに分けられ、色が薄いほどバクテリアの量が少なく軽い仕上がり。色が濃いほどバクテリアの量は多くお菓子や料理など調理用に適しているといわれます。 収穫時期に各農家では収穫祭の
「シュガーリング・オフ・パーティー」
が開かれています。イベント内容はさまざまですが
メインとなるのはもちろんメープルシロップ。
パンケーキにこれでもかというほど
たっぷりかけていただきます。
もうひとつパーティーに欠かせないのがメープルタフィー。氷の上に熱したシロップを垂らして固めたキャンディー。大人も子供も実はこれが楽しみでやってきます。
メープルシロップが採れるオンタリオ州やケベック州は「メープルは自分たちのアイデンティティーだ!」と言いだしそうなほど、メープルシロップを愛している。愛しすぎてナンバープレートまでメープルです。 メープルシロップの生産地、リドー運河が走るラナーク・カウンティはオタワから車で45分ほど。メープルの森にシュガーキャンプと呼ばれるメープルシロップ農家が点在しています。自家製メープルシロップを買って併設するレストランで極上のパンケーキを食べにいGO!
<おすすめシュガーキャンプ3軒>
ウィーラーズ・パンケーキ・ハウス
オタワから車で1時間ちょっとのところにある1万本のメープル林の中に佇む農園。ノスタルジックなレストランが人気。伝統的なパンケーキと自家製メープル・ソーセージが人気。200年前の収穫道具などを展示した博物館も見学が可能です。なぜか世界一のチェーンソー博物館も併設されています。
フルトンズ・パンケーキ・ハウス
オタワ郊外のパース郊外にある6世代にわたってシロップを作り続けている農家。レストランは3~4月の収穫期のみ営業。ギフトショップは火、木オープン。メープル食品以外にも、メープルシロップを使ったボディバターやローションなどのここでしか買えないコスメを販売。リップバームは個人的にかなりおすすめ。
テンプルズ・シュガー・ブッシュ
パース郊外にある絶品のパンケーキを提供するメープル農園。メープル林にはトレイルが敷かれ、自由に散策ができるのも魅力です。レストランの営業は収穫時期の3月と4月のみ。普通は農家のスタッフがパンケーキを焼きますが、ここでは専属のシェフがとっておきのパンケーキを焼いてくれます。だから週末はパンケーキを求めて行列必死。個人的にもここのパンケーキとワッフルが最強だと思います。
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お久しぶりです。メープルシロップってそんなに貴重なものだったんですね、もっと大事にいただかないとね。
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メープルシロップは知れば知るほど奥が深いものでした。自然からのおすそ分けですね!