テキサス州の西部に広がる砂漠地帯にアートと不思議な光に誘われて年間数万人もが訪れる町があります。ここはミニマルアートの代表する芸術家ドナルド・ジャッドが創作した理想郷。そして度々不思議な光が漂っているとUFOマニアの間では名の知れた町。
マーファの外れにある「チナティ財団」は軍事施設跡を利用した広大なミュージアム。巨大作品の恒久展示を目的に芸術家ドナルド・ジャッドによって設立されました。現在12人のアーティスト作品を常設して全ての作品を1日かけてガイドとともに見学するツアーと、ジャッドをメインにいくつかの作品を見学する2.5時間ツアー、ガイドなしセルフで見学するツアーを開催。
チナティの景色はとにかく大きい。東京ドーム27個分の敷地に建物が点在一棟に一作家を展示しています。ジャッドはアートの居場所と作品本来の輝きにこだわり作品が設置される意味や環境にかなり敏感な人でした。作品は全て周囲の環境を生かす形で設置されています。日中は暑いし広い敷地を歩くので一日ツアーは体力を消耗します。芸術鑑賞も楽ではありません。旧滑走路に沿って1キロにわたり設置されている15ピースのコンクリートボックスや旧大砲格納庫に置かれる100個のアルミニウムボックスなどを見せる空間はここの他にどこにもない。また、その一部を各地で巡回させてることなど意味がないのです。 6棟の旧寄宿舎を使ったダン・フレヴィンの光のインスタレーション。展示室の窓から入る自然光の加減で蛍光灯の色の深みが変化します。光源の近くに立つと黒い影となるのを利用して数人が縦に並んで千手観音像を描いたりと楽しみながら見学。それからマーファの街へ移動して建物に展示されているジョン・チェンバレンのジャンク・アートを見にいきます。半日ツアーはここまで。一日ツアーはランチタイム休憩の後再びチナティに集合しその他のコレクションを見学します。 ジャッド財団が運営するガイドツアーはジャッドの自宅兼アトリエを見学。ジャッドが生涯で集めた13000冊の多岐に渡る本が並ぶライブラリー、キッチンなどから彼の人柄や私生活、習慣などが垣間見られます。子供部屋には日本から持ち帰ったのかあるいは頂き物なのか扇子が飾ってありました。残念ながらジャッド財団が管理するもの全て撮影不可。また、金、土の週末のみ街中に点在するジャッドのスタジオ見学ツアーが開催されています。 満月の日の夕暮れ時、不思議な発光が度々目撃されている場所へ。「マーファ・ライツ・ビューイングセンター」という観察用の施設があり数人が光り待ちしていました。暗くなるにつれて人が続々とに集まり日没には50人ほどのギャラリーが集まってきました。立派な大人たちが一同に大草原を見つめ光りを探し。すると一人の女性が「来たわ!」と大声で叫び実況中継が始まりました。 みなが見ている方向を見つめると確かに小さな光りが揺れながら移動しているようにも。一説には遠くの山道を走る車のヘッドライトだとも超常現象を真っ向から否定する大槻教授は蜃気楼だと説明していますが信じるか信じないかはあなた次第!たまには人生に謎というスパイスがあってもいい。謎の正体を確かめにマーファへ出かけてみませんか?
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