プノンペンのペン夫人

 

今から650年ほど昔のこと。ペン夫人という裕福な未亡人がおりました。ある日、川へ出かけ亡き夫を偲んでいると、茶色い川をドンブラコー、ドンブラコーと流れてきた流木を見つけました。流木を拾い上げると、何と中には4体の仏像が入っていました。これは夫の代わりかもしれないと持ち帰り、丘に祠をたて仏像を祀ったことからペン夫人の丘=プノンペンと名付けられ、それが町の名前になりましたとさ。後に寺院が建立され、丘の寺院=ワットプノンと名づけられました。ここは今も変わらず市民の心の拠り所となっています。

 

 

ワットプノンは今やカンボジアの祈りの中心。老若男女吸い込まれるように寺院への階段を上って行きます。

 

本堂には黄金の仏像が安置され、お堂を包むように壁面と天井全体に仏陀の一生が描かれている小宇宙。ミケランジェロもボッティチェリも見たらさぞ驚いたでしょうに。向かって左に立つのがペン夫人。お正月ということもあり、たくさんお供え物を抱えています。

 

 

本堂裏手にペン夫人を祀った祠があります。ピンクの袈裟を着たどことなく関西方面で見かけそうなペン夫人。いい顔してます。

 

 

プノンペンのシンボルとも呼べる白い釣鐘型のストゥーパ(仏塔)。1434年にアンコール地域からプノンペンへ遷都したポニャーヤット王の遺灰が納められています。寺院の裏手は花時計をあしらった緑の公園。発展中のプノンペン。コロニアルな建物と寺院、緑と川が喧騒の街に安らぎを与えています。

 

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