終着地のアデレードは、19世紀にユートピアを目指して
英国から移住してきた開拓者たちによって築かれた街。
これまで多くの外国人を受け入れてきた
寛容でフレンドリーな雰囲気が街に満ち溢れている。
オーストラリア北端のダーウィンを出発して4日目。目覚めると
景色はアウトバックの荒野から緑の草原に変わっていた。
アデレードももう近いのだろう。赤道直下のダーウィンから
南極海まで縦に3000キロを鉄道で走破なんて、それだけですごくロマンチックだ。
午前10時過ぎにアデレードの駅に到着。
プラットホームで出会った仲間たちとお別れのハグをする。
「これから先の旅もどうぞ気をつけて。また、どこかで会えることを楽しみにしているわ!」
そう言って、それぞれの次の目的地へ去っていった。
ホテルのチェックインにはまだ少し早いので、荷物を置いて
向かうは150年の歴史を誇るアデレードのセントラルマーケット。
巨大な体育館のような屋内に生鮮食品、チーズ、ワイン、お惣菜、
レストラン、古本と興味深い店舗が80店舗ほどひしめいている。
入り口付近の通路沿いにある古本屋。物色心を誘う佇まいについ足を止めてしまう。
アデレード近郊のワインの産地で有名なバロッサバレーのチーズ。
トリプルクリームの滑らかさがハンパない。ポップの通り「デリシャス!」
ディスプレイが可愛い玉子専門店。マーケットを物色していると誰かが私を呼んでいる
振り向くとそこにはさっき抱きあって別れた鉄トモが数人
ビーフサンドとワインを囲んで100%の笑顔で手を振っている。
早すぎる再会に笑うしかない。考えることは同じだった。
街一番の繁華街であるランドルモールは、歩行者専用のショッピングストリートとなっていて
とにかく賑やかだ。ブタのオブジェがやけにリアル。ゴミ箱をあさっているのがオリバーで
小走りがオーガスタ。合計4匹のブロンズ像がランドルモールのマスコット。
ランドルモールから10分も歩けば緑豊かな公園があり、カラフルなインコやオウム
カンムリバドなど、楽しい鳥たちで賑わっている。
旅行先にアデレードを選ぶ人はそれほど多くないかもしれない。
オーストラリア好きな人でもアデレードには行ったことがないという人もいるだろう。
しかし、この街はほど良く洗練され自然も近く、穏やかな暮らしを好む人々
近すぎず離れすぎない全ての距離感が心地いいところだ。
そしてオーストラリアのガラパゴス「カンガルー島」も近い!