おいしい国トルコ

食いしん坊はガジアンテップを目指す

イスタンブールから飛行機で約1時間30分、トルコ南東部に位置する美食の街として知られる

ガジアンテップは、ユネスコに認定されているガストロシティ。

食い倒れの街としてトルコでも一目置かれる存在。

肥沃な大平野にあるガジアンテップでは様々な農作物が収穫できる。

特にピスタチオと言ったらガジアンテップというほど世界にその名を知らしめている。

「ガジアンテップ産のピスタチオを100%使用」それだけでウリになる。

そんなピスタチオを使ったバクラヴァはトルコ国内でも本場の味とされ

お土産に買わない人はいないほど本当においしい。

また、ここは世界で最も古くから人が住んでいる都市の1つでもあり

長い歴史と発展の中で豊かな食文化を育んできたのでしょう。

そんなガジアンテップの街を店から店へと食べ歩きしてきた話し。

旧市街にはずらりと乾物屋が並び店頭には特産のピスタチオが1kg1200円ほどで売られている。

一粒試食すると、サクッカリッと香ばしくいつまでも手が止まらない。500g購入したが3日で食べきってしまった。軒先に吊るされているのは、パプリカ、紫色は茄子、小指ほどのオクラ。パプリカ、茄子は中身をくりぬき乾燥させる。

もちろん中身は捨てずにペーストなどの料理にして食べる。

店員さんが持っているのは“ジェヴィズリスジュク”という糸で一列につないだクルミを

小麦粉を入れて煮詰めたブドウ液に浸して干したナチュラルスイーツ。

見た目は不気味だが、ブドウ液のプニプニした食感が新鮮で優しい味。

周辺諸国でも同じようなものが作られている。

ここでしか飲めないもの。それはピスタチオコーヒー。

ローストしたピスタチオを挽いた飲み物。

カフェインフリーなのがウリ。一見すると普通のコーヒー。

だけど全然コーヒーの味なんかじゃない。

ミルクと砂糖を入れて煮出せばおいしく飲めそう。

そもそもコーヒー豆を1粒も使っていないのだから

“コーヒー”と名がつくのが間違っているのだけど。

ガジアンテップ城の前に位置する「HAN LOKANTA DÜKKAN」

キャラバンサライのラクダの厩舎だった場所を改装したトルコ料理レストラン。

素敵な空間でガジアンテップならではの郷土料理を楽しめる。

メニューには温冷の前菜だけでも50種類ほどあり適当にお願いした。

キュウリとニンニクのヨーグルト、ビーツサラダ、ピスタチオのスプラウト、ローカルオリーブのサラダ、アンテップ風リゾット、チーズペーストとスパイス&クルミとオリーブオイル、ナスとパプリカとズッキーニの中身をくりぬいてお米を詰めたドルマ。

トルコ料理は肉好きもハラルもヴィーガンも皆で一緒に食事ができるのが素晴らしい。

前菜を1時間くらい会話を楽しみながら時間をかけていただき、メインはラムとチキンのケバブとトルコ版万願寺とうがらし。

肉よりも野菜や乳製品がメインと言った感じなので見た目よりヘルシー。

いろんな味があるので飽きることがなく、お腹いっぱいでも食べたい料理ばかり。

デザートはおそらくここのオリジナルでゼルデとストラッチの二層仕立て。

アーモンドとピスタチオのパウダーを乗せて食べる。ゼルデとは10倍粥にサフランをつけたバラ水や砂糖、蜂蜜を混ぜてスターチでとろみをつけたオスマン宮廷で親しまれたスイーツ。

ストラッチはお米のミルクプリン。優しい味なのでお腹がパンチクリンでも食べられちゃう。

昨晩どれだけ食べようが、朝食のテーブルにずらりと並ぶメゼを見たらテンションが上がる。

新市街にある「Orkide Pastanesi」は入り口は老舗ケーキショップで

奥にレストランフが併設されている。日曜日は家族でブランチが主流のようで、

たくさんの家族連れで賑わっていた。10人以上の大家族でテーブルを囲む姿も珍しくない。

台に乗っているのは、平たいパンの上にたっぷりの「カイマック」という

クロテッドクリームに似た高脂肪の発酵クリームに蜂蜜、グラニュー糖、ピスタチオパウダーをかけていただく悪魔のスイーツ。

ミルクとピスタチオの風味が最高においしい。朝から食べ過ぎに注意。

ガジアンテップ朝食の定番のラップ。早朝一仕事した後に持参したパンで野菜、チーズを巻いて食べたのが始まりだそう。これだけでも十分に満足感あります。

トルコの人気のスイーツ「ピスタチオのカトメル」。ガジアンテップでは朝食にいただくものでカトメルの専門店があるくらいこだわりがある。

外側はカリッとして中には発酵クリームのカイマックが挟まれていてしっとり。

間違いなくおいしい。そしてデブまっしぐらを覚悟する。

ガジアンテップのスイーツといえば「バクラヴァ」。トルコのどこでも食べられるが

「ガジアンテップを持って最高とする」と言われるほどで、バクラヴァの本家といった存在。

ピスタチオとバターをふんだんに使ったバクラヴァは一度食べたら他は食べられない。

街にはバクラヴァ専門店が軒を並べ、独自の配合で味が異なるので食べ比べてみるのも楽しいが

元々は携行食として作られ小さくても高カロリー一日に何個も食べるものでもない。

一人前のバクラヴァ職人になるまで15年かかるそうです。

オススメのバクラヴァ専門店は専門店は「イマムチャ—ダシュ(İmam Çağdaş)」と

「オメルギュルル(Ömer Güllü)」。

イマムチャーダシュはケバブとバクラヴァの専門店。店頭でバクラヴァを販売している。

もちろん店内でバクラヴァティータイムを楽しんでも良いし、ケバブを楽しんでも良い。

ひとえにケバブといっても色々ある。ここでは15種類ほどのケバブが食べられる。

ガジアンテップならではのケバブならピスタチオを練りこんだケバブがいい。その他、

草履のようなパン生地の上に挽肉、野菜、香味、スパイスを乗せて焼いた「ラフマジュン」

ケバブのお供のヨーグルトドリンク「アイラン」もおいしかった。

思い出すとまた食べたくなる。

食後はぜひニンジン形を意味する「Havuç Dilimi」 というバクラヴァを。

軽い食感でぺろっと食べられます。バクラヴァの正しい食べ方はフォークは使わずに手でつまみ

下上をひっくり返して食べる。店員さんが見ていたらきっと頷いてくれるでしょう。

「Mutfak Sanatları Merkezi – Gaziantep」はガジアンテップ料理芸術センターという名のレストラン。ガジアンテップの郷土料理を紹介することを目的とした市営のレストランだ。

雰囲気も良いし6コースのセットディナーがたったの1000円で食べられるとあり、地元や旅行客でとても賑わっている。

前菜は8種類の一口サイズが一皿に盛られている。その他ヨーグルトのスープ、サラダ

ブルグルというセモリナ粉を蒸して挽き割にしたものを葡萄の葉で巻いたサルマ。

ブルグルはクスクスに似ているようで作り方も原料も少々異なる。

ナッツのような風味がありキヌアのような食感がクセになる。

全粒粉で栄養素がとても高く食物繊維も豊富なスーパーフード。

次はブルグルブームが到来するかも!?そしてブルガーとか言われるんだきっと。

メインは薄いパンの上にヨーグルトを塗り、その上にトマト、揚げたジャガイモ、ひき肉を

バターで炒めたケバブ。かなりボリューミーで半分食べてギブアップ。

デザートはクルミのカダイフ。カダイフは小麦粉の極細麺を纏ったもので

バクラヴァ同様に全国で食べられている伝統菓子。

トルコ南東部発祥の伝統菓子としても知られています。

ガジアンテップではピスタチがオたっぷり入ったグリーンのカダイフ。

ガジアンテップは見どころも多く食べ物もおいしい。ぜひおすすめしたい街なのだけど

外務省海外危険情報でレベル2。残念ながら不要不急の渡航中止とされている。

理由はシリア国境に近いため。ガジアンテップはたくさんのシリア人がまじめに働いていて

食べ物もおいしい平和な街。早く警戒レベルを下げて大威張りで旅行させてほしい。

 

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