太陽が西の山に隠れる頃、列車はチチカカ湖を離れ北上する。
ダイニングカーのエレガントな空間で、ゲストはペルーワインや食事をゆっくり楽しむ。
窓の外は草原を照らす月明かりしか見えないが、いつまでも眺めていたい気分だ。
寝ている間にこの旅で最も標高が高い4321mのラ・ラヤ峠を超えていた。
目覚めると朝日が山を照らし始めていた。山の頭上には昨夜草原を照らしていた丸い月がまだうっすらと見えている。凛とした清々しい空気に気分も頭もシャキッとする。
朝食をとっている間に列車を走らせ、インカ時代の巨大神殿が残るラクチ遺跡へ。
ここはインカの最も重要な創造神ビラコチャを祀った大きな神殿や食糧貯蔵庫、居住区などから構成されている。
巨大な壁はビラコチャ神殿の跡。石組の基盤の上にアドベの壁だけが残っている。神殿は二階建てで、幅92m、高さ18~20m。大きな三角の屋根を持つ四角い建て物で、中には石造りの円柱が並んでいたそう。
チャカナと呼ばれるインカクロス。ケチュア語で「橋」を意味する。アンデアンエクスプローラーのロゴマークでもある。
階段状に12の角を持ち真ん中は丸い空洞からはビラコチャのエネルギーが発せられていると伝えられている。スピリチュアルな話だが、自分は常にクロスの中心にいる事を意識することが大切だと。何事もバランスが大事ということですね。
遺跡内をアンデスのおばちゃんが、羊をペットのように紐で繋いで散歩させている。
子牛を散歩させていたり
周囲と同化したロバがいたり。
屋根からタカが見下ろしていた。
素朴な遺跡だけどインカ時代の重要な場所。インカの人々の暮らしを想像してみるのが楽しい。