ラクチ遺跡から列車はクスコへ向けて再び動き出す。
蛇行するウルバンバ川に沿って渓谷を駆け抜けてゆく。
アンデス山脈を源流とするウルバンバ川はこの先
マチュピチュを通り過ぎアマゾン川に合流する
724kmの壮大な旅路だ。
遺跡から戻るとバーではペルーのカクテル「ピスコサワー」のデモンストレーションが行われていた。
ピスコとはペルーで造られているぶどうの蒸留酒。爽やかでぶどうの個性や風味を楽しめるお酒。ピスコの話はいずれまた。ピスコサワーは、ライムの酸味とシロップ、表面に卵白のふわっとした舌触り。これらの絶妙なバランスがたまらない。
ンデアンエクスプローラーでの最後の食事。前菜から、メイン、デザートまでアンデスの食材をふんだんに使って土地の味覚を存分に愉しませてくれる。おかげで高地にいることも忘れて存分に食べて飲んだ。
メニューは、ペルーを代表するスターシェフ、ヴィルヒリオ・マルティネス氏が監修。ペルー伝統のエコシステムを料理に取り入れた、独自のフィロソフィーで世界の美食家を魅了する。
ウルバンバ川と別れを告げ一路クスコへ。この景色も見納め。町はもうすぐそこ。
街の入り口に立つ9代皇帝パチャクテク像。間もなく駅に到着する合図。
列車を降りるとフタッフとゲストと出会いの喜びと別れの寂しさを分かち合い、そしてまたそれぞれの旅が始まる。
2泊と言えど、夜の発車なので実質1.5日はあっという間に過ぎていった。だけど第二の都市アレキパからチチカカ湖、アルティプラーノを駆け抜けてクスコへと行く豪華列車の旅は、言わずもがな特別な体験だ。
高山病にかかったゲストは一人もいなかったのは、アレキパから徐々に高度を慣らしていったからだろう。怪我をした人はたった一人。この私。
列車の旅の初日に車内で小指をぶつけ、相変わらず「オカ」のように紫色に腫れ上がっているのでクスコの駅から病院へ直行。レントゲンを撮った結果「折れていないです」。イケメンの若いドクターが微笑みながら言った。その後は安心して旅を続けられたが、帰国しても一向に腫れが引かないし痛い。近所の整形外科でレントゲンを撮った結果、パッキリ折れていた。