朝9時。スコータイから北へ50kmに位置するシーサッチャナーライの
遺跡公園内に立つチャン・ローム遺跡の撮影をしていると、
のっそのっそと象がこちらにやってきて遺跡の前で足を止めた。
どうやら、ここが彼の仕事場らしい。
チャン・ロームは台座が39頭の象で囲まれている珍しい仏塔。
その周りで観光客を背中に乗せて商売をしているのだ。
象の隣に餌となるバナナを売るおじさんがやってきた。
準備万端なのに、なかなかお客さんが来ない。
そもそも公園内に人がいない。従って象は目の前にあるバナナが食べられない。
だからその辺の木の葉をムシャムシャ食べている。
もし私が象だったら、そのうちバナナ屋を襲撃してバナナを食べまくっているだろう。
象は食事の時間以外は、時折立ち疲れたように片足を浮かせるくらいで全く動かない。
象だって楽じゃない。
象使いとバナナ売りは昼寝をしながらお客さんが来るのをひたすら待つ。
結局1日、数人の僧侶にバナナをもらっただけで、象に乗るお客さんはいなかった。
ちなみに写真の寺院は、スコータイのチャン・ローム寺院。
タイには象に囲まれたチェディが3基ある。