一度でもその雰囲気を経験すると病みつきになる大リーグ観戦。ルールを熟知していなくても選手の名前を知らなくてもいい。ここには「これぞまさにアメリカ」が凝縮しているのです。真のアメリカ文化体験ができるボールパークへレッツゴー! 西海岸や東海岸にあるボールパークは街の中心地だったり地下鉄でアクセスできたりと行くのに難しくありません。ボストン・レッドソックスやニューヨーク・ヤンキース、サンフランシスコ・アスレチックスは地下鉄で行けますし、シアトル、サンディエゴ、トロントは街の中心にあり徒歩圏内。ところが、アメリカで2番目に広い州にあるテキサス・レンジャーズは観光客が野球場に向かうのはかなりハードルが高い場所にあります。本拠地アーリントンは、ダラスとフォートワースの中間に位置する街で公共の交通機関がほぼないに等しい。ダラスやフォートワースのダウンタウンからは車で30分以上かかりタクシーを使えば片道50ドル+チップといったところ。往復タクシーを利用するとなると交通費だけで1万円以上飛んでしまいます。それははイタい出費になるので何とか公共交通機関を駆使してボールパークを目指します。 まずはダラスのユニオン駅からTRE(トリニティ・レイルウェイ・エクスプレス)に乗り30分。センターポート駅で下車します。TREはテキサスの州旗「ローンスター」が描かれているかっこいい鉄道でダラスーフォートワース間を結んでいます。下車するセンターポート駅はちょうど中間にありDFW空港の無料シャトルバスが循環しています。 ホームに販売機が設置されていてチケットは必ず乗車前に購入。センターポートまではダラスからでもフォートワースからでもゾーンをまたがないので「1ZONEDayPass」を購入します。料金はたったの5ドル!注意することはTRE以外の交通機関にも使える「TRANSIT PASS」を購入すること。 センターポート駅の目の前は広大な駐車場で売店は皆無。まさに典型的なアメリカ郊外の駅といった感じ。TRE乗車前に1リットル以上のドリンクを持参していないと干からびますのでご注意ください! 駅前のバス停。TREの接続に合わせて30分毎に運行しています。 市内循環バスMAX(MetroArlingtonXpress)乗ります。購入済みのパスでMAXも乗車できます。非常に素晴らしいシステムだからもっと路線を増やして!バスはとても快適。電光掲示板で停車駅を案内しているので地図と睨めっこして現在地をいちいち確認する必要もなし。といってもこのバスの停車場は2箇所。次で降りますが約30分走ります。 バスを降りると道路の電光掲示板には「今夜試合あり!」のサイン。テンションが上がってきました。でも野球場へ行きそうな人の姿は皆無。テキサスは筋金入りの車社会です。500メートルほど先に見えるNFLの名門ダラス・カウボーイズの本拠地AT&Tスタジアムを目指します。 アメリカでは今やMLBよりもアメフト人気が高いことを
象徴するようにバブリーなスタジアムが輝いています。
余談ですがスタジアムの映像装置は三菱電機の
オーロラビジョンが取り付けられ「世界最大の
フルハイビジョン対応の映像スクリーン」として
ギネスブックに認定されています。
やっぱりバブリー!
豪奢なスタジアムを横目に歩くこと20分正面に古風な佇まいの建物が見えてきました。でもこれぞアメリカの球場といった風格です。所要時間はダラスから約1時間30分。値段を取るか時間を取るかはあなた次第! 試合開始前はチームショップを覗いたりホットドッグを買ったりと何かと忙しいのでプレーボール1時間前くらいに到着していると、存分に球場の雰囲気も楽しめます。場内はまるでお祭り気分でみんなウキウキ笑顔です。ファンにとっては試合前の時間も試合同様に面白いのです。 試合開始前の国歌斉唱。ホットドッグを買っていようがどこにいようが始まったら起立し背筋を伸ばして胸に手を当てて国歌を聞きましょう。帽子を被っている場合は帽子を取って胸の上に。アメリカの愛国心を垣間見られるひと時です。 試合中は日本のような鳴り物は禁止。
その代わりスタジアムが大いに盛り上げてくれます。
球場はバックネット以外にネットがないので
子供達はグローブをはめてファールボールを待っています。ファールボールを捕ったファンは観客から拍手と熱い眼差しをもらいます。 7回になると観客全員がおもむろに立ち上がり「セブンスイニング・ストレッチ」が始まります。各自ストレッチをしながら“Take Me Out to the Ball Game”(私を野球場に連れて行って)を観客全員で歌います。これもまた楽しい。アメリカだな〜と実感します。 今回は対ヤンキース戦ということもありほぼ大入り満員。あわよくばダルビッシュVSマー君の対決を期待しましたがそれはならず。それ抜きでも大いに楽しめました。ここは真のアメリカ人に出会えますよ! それにダルビッシュTシャツの女子もけっこう見かけました。イケメンは世界共通ですかね。 ちなみに帰りは夜10時近かったためタクシー笑それでも、片道分の約60ドルは節約できたのでOKでしょう?
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