スペイン サン・セバスチャン街歩き

 

スペイン北部、フランスと国境をまたぐバスク地方は
ヨーロッパの中でも古くから独特の言葉と伝統を守っており
看板にはバスク語とスペイン語の両方が表示されています。
バスク地方の中でもサン・セバスチャンは近年
「ピンチョス」や「美食クラブ」で
その名を世界に知らしめています。
ピンチョス発祥の地でたくさんのバルがある他に
街は一体何があるのでしょうか?
さっそく端から端まで街歩きのスタートです。

 

サン・セバスチャンは、ウィーンからスペイン王家に嫁いだ
マリア・クリスティーナが愛したことから
高級リゾート地として知られるようになりました。
王家のリゾート地となった歴史から
次々とご馳走が生み出され
スペイン一の美食の街となりました。

海岸線のちょうど中央あたりに海を目の前にして建つ、
緑潤う赤い建物はマリア・クリスティーナの別荘
「ミラ・マール宮殿」。マリア・クリスティーナと
娘のイザベル2世が過ごした夏の別荘。
ちなみにミラ・マールは「海を望む」を意味します。

 

 

ビーチでは、今にも雨が降り出しそうな天気の中
全力疾走するシェパードの後ろで
上半身裸で筋トレ中の男。絵面が妙です。
ここはスペインの中でもっとも降雨量の多い地域。
太陽の国スペインというキャッチよりも
グリーンスペインが似合う街です。

 

 

サン・セバスチャンは小さな入り江
コンチャ湾の海浜に沿った街。
コンチャとはホタテ貝のことを言い
入り江の形が貝殻に似ていることからそう呼ばれています。

街の全景を眺めるため、入り江の左端にあるイゲルド山の
山頂展望台へケーブルカーで目指しましたが
ご覧の通りの残念な景色。何も見えなーい。

 

 

 

 

 

イゲルド山の麓にある岸壁に創られたオブジェ「風の櫛」は
サン・セバスチャン出身の世界的彫刻家
エドヴァルド・チリーダの作品。
素敵なネーミングです。コンチャ湾の端の岸壁に
激しく落ちくだける波までもが作品のようです。
風の櫛はバスクのシンボルでもあり
ビルバオにも同じものが存在します。

 

 

 

海岸沿いの遊歩道をしばらく歩いていると
青空が見えてきました。
先ほどの山頂から見た景色と同じ場所とは思えない、
何とロマンチックな景色。
ビーチは晴れているに限ります。

 

 

海岸沿いを一時間ほど歩いて
入り江の端の旧市街までやってきました。
1886年創業の老舗ケーキショップの「OTAEGUI」で一休み。
店内にはタルトやシュー、マフィン
マカロンなどどれも美味しそうです。
お土産にも喜ばれそうなスイーツも販売しています。

大好物のアップルタルトは、リンゴのほど良い酸味と
シナモンがきいていて甘さ控えめ。
ボリューム満点でも繊細な味。
サン・セバスチャンは、ピンチョスばかりでなく
スイーツのレベルも高いようです。

 

 

 

市庁舎前は広場となっていて
週末は大道芸などで大いに賑わいます。
市庁舎の背後に見えるウルグル山の山頂には
バスクを弾圧したフランコ将軍によって
建設された巨大なキリスト像。
憎きフランコが建てた像といえど
それが神様であっては取り壊すこともできない。

 

港に整然と並ぶボート。バスク人は几帳面。


旧市街に立つ店の9割は飲食店。
夜は店から溢れるほど
の人で賑やかですが昼間は静か。
ランチからシエスタ(長い昼休み)を取らずに
夜更けまでオープンしているバルもたくさんあります。
バスク人は無骨でまじめ。
そんな気質はスペイン人よりは
日本人に近いのかもしれません。

 

 

旧市街の狭い路地の突き当たりに静かに立つ
12世紀に建立されたサンタ・マリア教会は
サン・セバスチャンの守護聖人である
サンタ・デル・コロを祀る教会。
チュリゲラ様式と呼ばれるスペイン独自のゴシック様式
彫刻が施されているファサード、教会内の装飾も荘厳です。
扉が開いていたら、ぜひ覗いて見て欲しい教会です。

 

旧市街の脇の河口に架かる橋を渡ったところにある
サン・セバスチャンで最も高貴なホテル
「マリア・クリスティーナ」のエレガントな雰囲気の中での
ティータイムもおすすめです。

次回は旧市街ピンチョス巡り!

 

 

 

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