アウトバックの荒野を行く

THE GHAN 3000kmの旅〜Day1

オーストラリア最北端に位置する街ダーウィンから

キャサリン、アリススプリングズ、クーバー・ピディを駆け抜けて

南極海に面した南部アデレードへ。広大なアウトバックを

南北約3000kmに貫く豪華寝台列車「ザ・ガン」に乗車してきた。

ザ・ガン・エクスペディションの旅は、ダーウィンの町外れの小さな駅から始まる。

ホームでは、最後尾が見えないほどの車両を連結するザ・ガンが待っていた。

本日は全長約900mもあるという。案内された客車は「Q」。

アルファベットを読みながら歩いても、歩いても自分の車両にたどり着かない。

ようやくキャビンへ入ると、車両コンシェルジュがあいさつに訪れた。

3日間のエクスカーションの申し込みを済ませる。

ザ・ガン・エクスペディションはプラチナクラスとゴールドクラスの

二つのカテゴリーがあり、車両ごとに専用のコンシェルジュがいる。

ゴールドサービスの部屋は、ラウンジシートが2段ベッドの寝台に変わる個室。

電源も十分にある。シャワーやトイレ、ホテル並みのバスアメニティーも完備。

大きなピクチャーウィンドーからの眺めも良く快適。

列車内での全食事にアルコールを含めたドリンク類、停車駅ごとのエクスカーションも

一部を除いて料金に含まれているので、お財布はセーフティボックスにしまっておく。

荷物を解いてバー車両に行くと、ゲストたちはすでに1杯楽しんでいた。

知り合ったばかりとは思えないほどゲスト同士の会話が弾んでいる。

これも限られた空間を共にする鉄道旅のだいご味だ。

バーでくつろいでいると、コンシェルジュがランチオープンを知らせに来た。

メニューは3種から選べる。本日はバッファローカレー、トロピカルチキンサラダ、

トマト、サツマイモ、ビートルートのタルト。

デザートはマンゴーパフェ、フルーツプレート、アイスクリーム。

メインのチョイスは人それぞれだったが、デザートはほとんどのゲストがアイスクリーム。

それも3スクープをぺろり。この人たちの胃袋は一体どうなているのだろう。

車窓から見える草原に石碑のような蟻塚がいくも立っている。

何事もひとつのことをコツコツと続けることで、スキルは高まる。なんのこっちゃ。

最初の停車駅となるキャサリンは、ニトミルク国立公園の玄関口。

大渓谷を流れるキャサリン川を進むクルーズ・エクスカーションに出発だ。

川岸には体長2メートルほどのワニが休んでいる。

この辺りに生息するオーストラリア・ワニという固有種。

人間には無害のおとなしいワニゆえに乱獲され、現在は保護の対象とされている。

アボリジナルピープルの文化が色濃く残り3万年も前に描かれたロック・アートも残っている。

遊覧クルーズで切り立った峡谷をゆったりと進む。周辺には温泉のプールもあるらしい。

カヌーで峡谷を分け入るのも楽しそうだな。

ザ・ガンに戻ると夕日に照らされたシルバーの車体がゴールドに輝いていた。

ところで、「ザ・ガン」の変わった名前。これはオーストラリアでよく使われている省略名。

19世紀の後半、電信中継所を設置するため輸送力としてアフガニスタンから

1万頭のラクダが調教師とともに連れてこられた。ザ・ガンの名称やロゴマークは

未開の内陸部を切り開いたこのラクダたちに敬意を表し「アフガニスタン」が「アフガン」

さらに短く「ガン」となったそうな。

ディナーは前菜、メイン、デザートそれぞれ3種類から選べる。

本日のメインはオージーを代表する白身魚のバラマンディ、ビーフリブ

グルメ・ベジタリアン。チョイスはもちろんビーフリブ。

お肉が柔らかくてソースの味付けもちょうど良い。

食べきれないわと言いつつ、デザートに至るまで完食。美味しゅうございました。

 

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