サン・テグジュペリの「星の王子さま」に出てくるバオバブの木。
いつか自生するバオバブを見たいと思っていた。
バオバブといえばマダガスカルのイメージだが、
実はゴンドワナ大陸の忘れ形見といわれオーストラリアの一部地域にも生息している。
北端の街ダーウィンから南へ約300kmのところにあるキャサリンという
小さな町が玄関口となるニトミルク国立公園を訪れたとき、
地元アボリジニのガイドが指をさした先にバオバブの木が一本だけ立っていた。
トックリのようにずんぐりとした容姿は、奇妙でどこか艶かしい生き物のようだった。
先住民のアボリジニは古くからバオバブの木をブッシュタッカーとして利用してきた
実は食され幹の中に蓄えられた水で喉を潤し、木の皮は衣服や袋として利用した大切な木。
ニトミルク国立公園内の岩壁にはアボリジニのロックアート(壁画)が描かれている。
ニトミルク国立公園の管理者で先住民のジャオイン人にとって偉大な儀式に重要な場所。
ジャオイン語で、ニトミルク は「セミの場所」を意味するそうだ。