アンデスの天空を駆け抜ける豪華列車の旅 Day2 チチカカ湖とタキーレ

ミッドナイトブルーの列車はアルティプラーノと呼ばれるアンデス高原地帯らしい、

澄んだ青空と乾いた牧草地帯の中を駆け抜け、チチカカ湖を目指す。

チチカカ湖の玄関口となるプーノに着く前に小さな駅で停車した。

茶色の素朴な街並み。歩いてみたくなる。

車窓の右手にチチカカ湖が見えてきた。マリーナ脇の引込み線に停車し

ボートでトトラというアシで作った浮島のウロス島へ。

水も空も吸い込まれそうなくらい青い。

アンデスの雪解け水を湛えたチチカカ湖の標高は約3800メートル。

富士山の頂上よりも高いところにある。面積は琵琶湖のおよそ12倍。

汽船が航行できる広さでは、世界で一番高い湖だ。

20分ほどでウロス島が見えてくる。訪れる度に派手になっている気がする。

もはや民俗村ウォーターパークのようだ。

インカの伝説によると、太陽の神によりチチカカ湖に浮かぶ島に初代インカ皇帝を遣わした。

観光の目玉となっているチチカカ湖だが、インカの人々にとっての聖地なのだ。

トトラと呼ばれる葦に似た植物はウロスの浮島の材料となっている。

船も家もベッドも全てトトラでできている。

トトラの茎には無数の空気穴が空いていて、それが浮力の源となるのだ。

トトラの茎は食べることもできる。

チカカ湖の民であるウル族はこの辺りでは一番古い民族と言われている。

かつては湖畔に住んでいたが、インカ帝国やスペイン人といった支配者の手が及ばない湖上へと住居を移し、自由な暮らしを手に入れたという。湖上では大小合わせて105の浮島で今も生活を続けている。

ウロス島を後にさらに湖の奥へ。空も湖も青すぎて目がおかしくなる。

タキーレ島にはおよそ2000人のケチュア族が自給自足で暮らしている。

インカ時代からある段々畑が斜面を覆い、羊たちが草を食んでいる牧歌的な島。

紺碧の空と湖、遠くに見える純白の雪に覆われたボリビアの山の清々しい景色が迎えてくれる。

この島は1950 年代まで他と交流をほとんど持たなかったためインカ時代から続く独特の生活様式を今も残している。

島の産物が織物と編み物。昔から羊を飼い、糸を紡いできた。広場では、糸を紡ぐ女性たちに混ざり男たちも編み物をする。農作業の後、家族が集い編み物や織物をして毎日を過ごすのだ。

男性が編むのは主にマフラーや帽子を、女性は織り機を使ってポンチョやマントなどを織る。

島の人々は歩きながらでも、おしゃべりに夢中になっていても編む手を休めない。

そうして受け継がれてきた生活慣習と織物技術は、世界無形文化遺産に登録されている。

集落から見た美しすぎる湖。集落があるのは標高4000mほど。ゆっくり呼吸を整えて歩く。

列車に戻る前に、引き込み線の脇にある車両倉庫を改装したラウンジで生演奏付きアフタヌーンティー。100%仕事という事を忘れている。

青いくちばしが綺麗なアンデスに生息するカモの仲間「プナティール」和名ナンベイシマアジ。ホロホロ鳥のような模様もオシャレ。

続く。

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