芸術と平和を愛する街 オスロを旅する

スカンジナビア半島の左側を占めるノルウェー。
首都オスロはフィヨルドの最奥部に位置する
山とフィヨルドに囲まれた静かな街。
夏は爽やかな風が心地よく、冬は真っ白な雪に包まれる
しっとりと落ち着いた大人の雰囲気が漂う
フィヨルドシティです。
オスロといえば、ムンクの「叫び」
ノーベル平和賞の授与式が行われる国。
それだけではないオスロを

石畳の通りや細い路地を往来する路面電車と
地下鉄に乗って街を巡ります。

 

 

ストックホルムを後に鉄道でオスロに向かいます。
移動時間はたっぷり6時間。
景色を眺めたり
本を読んだりのんびり鉄道の旅を満喫します。
こんなことも旅ならでは。
日常では叶わない時間の使い方です。

 

窓の外を流れる水辺の風景や
北欧の牧歌的風景に癒されます。
ガイドブックでオスロの勉強をして
食堂車でランチを食べてコーヒーを飲んで
ちょっとお昼寝して・・
そんなことをしているうちに
オスロに到着してしまいました。

オスロの街歩きは
中央駅から王宮へと続く目抜き通りの
カール・ヨハン通りからスタート。
王宮までの2キロほどの道の両側には
ブランドショップや飲食店がびっしりと並んでいます。
オスロ一番の繁華街ですが
どこか爽やかで落ち着いた雰囲気。

王宮前からバスに乗って
フィヨルドを挟んだ対岸にあるヴィグドイ地区へ。
ユニークな博物館が多く点在するアート地区でもあります。
その中でも「ヴァイキング船博物館」に展示されている
1904年に女王の棺と埋葬品とともに発見された
1200年以上前の船「オーセバルグ」の
細部に至るまで施された彫刻に魅了されます。

1000年以上前にこのような形をした船が
フィヨルドを航海していたのかと想像すると
冒険ロマンを感じずにはいられません。

 

 

ヴァイキング博物館からバスで再び王宮へと戻り
フェリー乗り場方面へ歩くと市庁舎があります。
夏の間は博物館近くの埠頭から市庁舎まで
フェリーが運行しているので
15分のフィヨルドクルーズも体験できます。

市庁舎では毎年12月10日に
ノーベル平和賞授与式が開催されます。
館内に入るとまずホールの壁一面に描かれた
巨大な壁画に出迎えられます。
地元の画家によって描かれたもので
被占領時代から独立
そして平和が訪れるまでの情景を
歴史絵巻物語風に描いています。

2階には「ムンクの間」という部屋があり
ムンク作の「人生」というタイトルの
絵画が展示されています。
これはもともとドレスデンにあったものが
ヒトラーが嫌ってノルウェーに戻されたという
いわくつきの絵画。

その他、国王の肖像画や調度品、見事なタペストリー
建物入り口の脇に飾られた
巨大な木彫りで描いた神話など
博物館級のノルウェー芸術を全て無料で見学できます。

市庁舎から地下鉄で移動してムンク美術館へ。
最寄り駅「Toyen」駅構内には
ムンク作品の壁画がいくつも飾られており
目を楽しませてくれます。

 

 

 

ムンク美術館はムンクがオスロ市に寄贈した
約2万5000点ものムンクの作品を所蔵しています。
併設するカフェでは
「叫び」をモチーフにしたケーキも食べられます。
「叫び」グッズが豊富に揃うミュージアムショップも一押し。
旅のお土産にもぴったりでしょう。

本題のムンクですが
画家の氏名は「エドヴァルド・ムンク」。
1863年12月12日生まれ。
生まれて翌年には現在のオスロに移り住みました。
裕福な家庭に育ちましたが
母を若くして亡くしたことと自身も病弱だったことから
「死」は大きなテーマとなり作品に影響を与えています。

代表的な作品「叫び」でその名を知られていますが
それ以外にも多くの作品を残し
ノルウェーでは国民的な作家として
1000ノルウェークローネ紙幣の肖像画にもなっています。

「叫び」だけを鑑賞するつもりで訪れる人でも
生命をテーマにしたその他の作品に
強く心を動かされるでしょう。

カール・ヨハ
ン通り沿いに立つ1874年開業の
重厚なグランド・カフェのレストランに入れば
当時そこに集まったムンクをはじめ
芸術家たちの姿を壁画で見ることができます。

 

 

 

美術館から地下鉄で2駅。中央駅から徒歩すぐの
オスロフィヨルドに面して建つオペラハウス。
フィヨルドの海面に浮かぶ氷山を想像させるデザインで
ヨーロッパの現代建築賞
「ミース・ファン・デル・ローエ賞」も受賞している建築物。
大理石とソーラーパネルの機能を持つ
巨大なガラスのファサードが印象的。

 

トラムに乗って200体もの彫刻が点在する
ヴィーゲラン公園へ。
フログネル公園とも呼ばれている
緑が豊かな広大な公園は
ピクニックや散歩に訪れる市民の憩いの場です。
ここは、ノルウェー出身の彫刻家
アドルフ・グスタフ・ヴィーゲランが
人生の諸相をテーマにした
約200体の彫刻を見ることができます。
これもまた入場料無料。
オスロ市が彼の全ての作品の
パトロンになる契約を交わしたことにより
このような世界でも類のない公園が完成したそうです。

200体の彫刻のなかでもっとも有名といえるのが
幼児がだだをこねている裸像「アングリーボーイ」。
日本では「おこりんぼう」。
ムンクの次に?有名なオスロの顔となっています。

 

公園のシンボル「モノリッテン」。
121人の人物像が彫刻された人間柱。
下の方は欲にまみれた人間の集団。
その上には強者が弱者を頭上に持ち上げようとする姿。
頂上付近は純粋無垢な子供たちや赤ん坊が。

これら公園に点在する作品の全てに
タイトルはありません。
何を感じるかはあなた次第ってところです。
人間について、生命について
生きることについて考えさせられる奥の深い公園です。

夜は「叫び」の舞台といわれる丘に建つレストラン
エーケベルグ・レストランで。
オスロの夜景と
ニューノルディック・キュイジーヌを楽しみます。
北欧の新鮮な野菜や魚介を使い
新世代のシェフたちが斬新でユニークなアイデアで
お皿の上を表現する
「ニューノルディック・キュイジーヌ」は
デンマーク、スウェーデンのみならず
ここオスロでも体験できます。

 

2 comments to “芸術と平和を愛する街 オスロを旅する”

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