今宵、満月とランタンとともに

町全体が世界遺産に登録されている
かつて海のシルクロードとして繁栄した
港町ホイアンでは、満月となる旧暦の14日になると
町中の家々が電気を消して
ランタンの灯りだけが町を照らす夜祭が開かれ
ランタンのほの暗い幻想的な光が
ホイアンの町を包み込みます。

太陽が西に傾き出し
強烈な暑さからもようやく解放される頃
町を流れる川が涼しい風を運んでくると
どこかららともなく町に人が戻ってきます。
軒先で夕涼みをする住人
その周りを走る子供たち
夕日に染まる町並みを写真に収める旅行客
一日のうちで一番にぎやかな時間を迎えます。

今日は旧暦の14日。軒先にテーブルを出し
果物、米、塩、砂糖、お金や菓子など
お供えを用意して線香を焚き先祖への感謝と
商売繁盛を願う祈りが各家庭で行われます。
そして日没とともに、軒先のランタンに
次々と明かりが灯る頃
椰子の木の隙間から満月が昇ってきました。

午後7時、町中の電気が一斉に消されます。
レストランもランタンの明かりだけ。
大小色とりどりのランタンの温かな光に包まれた通りは
夜祭りを楽しむ旅行客で賑わいます。
地元住民たちもランタンの明かりを楽しんでいます。
子供たちはテキ屋のゲームに夢中になり
男たちはロウソクの灯を頼りに緑台将棋
女たちはランタンを灯した軒先に座って
涼みながらおしゃべりに花を咲かせています。

町を流れる川では、それぞれの願いを込めて放たれた
蓮の花の折り紙に立てたロウソクの灯が
水面を静かに照らしながら光の線を描いています。

町全体がノスタルジックでどこか別の世界にいるようです。

近年、旅行客が急増し
ホイアンは変化の波にさらされています。
しかし、日々の営みの中で
古き良き物を次の世代に伝えようとする姿勢は
何百年経っても変わりありません。

ホイアンは漢字で「会安」と書き
安らぎの場を意味します。
いつの時代も優しい笑顔で迎えてきたホイアンは
軒先に吊るされたランタンの優しい光のような町です。

【取材協力 ベトナム航空】

5 comments to “今宵、満月とランタンとともに”
  1. SECRET: 0
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    ひろみさんのベトナム記事を読むたびに
    ホイアンに行きたい気持が再復活します!
    Da Nangまでの直行はないので
    ホーチミンかハノイ経由になるのですが
    どちらの街の方がお勧めでしょうか?
    よろしかったらお聞かせください。
    (-^□^-)

  2. SECRET: 0
    PASS:
    ベトナム航空が今年中に成田からダナンへの
    直行便を運行する予定ですが、
    予定は未定なので笑ホーチミン乗り継ぎが
    スムーズで良いですよ。
    11月~2月は雨が多いので
    その時期を外していくことを
    おススメします♪
    次の旅はぜひホイアンへ!

  3. SECRET: 0
    PASS:
    >ひろみの地球にペタさん
    アドバイス有難うございます!
    それなら4月か5月あたりを予定してみます。
    成田からだとホーチミンがいいのですね。
    たぶんヨーロッパからバンコック経由で
    行くかもしれません。
    ホイアンのお勧めホテルなどがありましたら
    いつか記事で紹介してください。
    (でもない場合は自分で調べます。)
    庭が美しいホテルに滞在してみたいです。
    (^-^)/

  4. SECRET: 0
    PASS:
    >ひろみの地球にペタさん
    素敵なホテルがずっと前に紹介されていたのですね!
    そこに泊まりたいです(^O^)/
    Paris へ行くのは電車などの交通機関があてにならないので、
    なるべく飛行機でBrussels から飛んで行くようなルートを選ぶようにしてます。
    いろいろアドバイス有難うございます!!

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