ライン川沿いの小さな町 リューデスハイムとザンクト・ゴアール

ドイツ中央部を流れるライン川。
世界遺産に登録されている
マインツからコブレンツにかけての
中部流域の65キロには
古城とラインワインのブドウ畑が織りなす
美しい風景が続きます。
そこにはドイツの歴史と伝説が彩られ
何世紀にもわたって多くの作家、芸術家
作曲家を魅了し影響を与え続けてきました。
そんな川沿いにはいくつもの小さな町が
寄り添うように点在します。

ライン川を往来する定期船を乗り降りして
町ごとで生産される自慢のワインを楽しみ
中世の面影を残す町並みに酔いしれます。

 

 

ライン川沿いに点在する町の中で
最も活気に溢れているのがリューデスハイム。
日本からの観光ツアーでもおなじみの町です。
ワインブティックの他にもレストランやお土産
クリスマスショップなど
お店も充実しているラインガウ随一の観光地。
ドイツ有数の白ワインの産地として知られ
世界中から訪れる観光客で賑わっています。

ワイン酒場が軒を連ね
昔ながらの下町の雰囲気が残っている
目抜き通りの通称「つぐみ横町」。
時間帯によっては歩行困難なほど
観光客がこの狭い路地を往来します。


遠足できていた元気いっぱいの小学生。


ワイン片手に盛り上がる元気いっぱいの大人。

木組みの家並みがメルヘンチック

 

 

ワインの産地らいい素敵な葡萄の彫金が施された
メニュークリップ。
ドイツはさりげない小物使いがとても上手です。

リューデスハイムから定期観光船K.D.ラインで
ライン川クルーズを楽しみつつ
ザンクト・ゴアールに向かいます。
ドイツ鉄道(DB)全線で利用できる
ジャーマンレイルパスを持っていれば
K.D.ラインも乗り放題!
鉄道旅行を楽しむ人は
ジャーマンレイルパスは必需品といえます。

リューデスハイムを出発しほどなく見えてくるのが
ねずみの塔と呼ばれる13世紀にマインツ大司教が
通行税を取るために建てた塔。
しかし、現在あるのは19世紀に入って
信号塔として再建されたものです。
ねずみの塔などおかしな名前ですが
その由来となる物語が伝えられています。

強欲なマインツ大司教は塔を建てて通行税を取る上に
住民に高い税金をかけてひとり贅沢な生活を送っていました。
ある年の大飢饉で住民たちは食べ物に困り大司教に直訴します。
すると大司教は承諾するふりをして
住民を納屋に集めて焼き払ってしまいました。
燃え跡からはネズミの大群が現れ大司教を襲います。
ネズミの大群は大司教を「ねずみの塔」に追い詰めて
ついには食い殺してしまったというおはなしです。

丘の斜面に広がる一面のブドウ畑をバックに走る貨物列車。
ライン川ならではの風景です。

10世紀頃に築かれた城で
後にマインツ大司教が税関として利用。
17世紀にナポレオンに破壊されてから
何度か所有者が変わる度に再建され
現在はレストランが併設されている博物館となっています。

川の中州の立つプファルツ城。
神聖ローマ皇帝ルートヴィヒ4世が
ライン川の通行税徴収のため
税関施設として中州に建設したもの。
現在は資料館。

 

 

川側から見たバッハラッハの町。
中心に立つ教会と背後に広がるブドウ畑
丘の上のシュターレック城が絵になります。
城壁が残されているため
外側からは町の中の様子がわかりませんが
古い木組みの家が並ぶ可愛いらしい町
おすすめの立ち寄りスポットです。

一見ただの岩山ですが
こちらはライン川クルーズのハイライトともいえる
「ローレライ」
美しい歌声で船乗りたちの心を奪い船を座礁させ
渦中に巻き込まれて帰らぬ人となるという妖婦の伝説。
ハイネの詩による『ローレライの歌』で
世界中に知られるようになりました。
ここは特に川幅が狭く水深も深いため
船乗りに恐れられた難所だったことから
そのような伝説が生まれました。

 

 

 

ローレライの岩を過ぎると
ザンクト・ゴアールの町が見えてきます。
13世紀から18世紀に至るまで
度々戦争に巻き込まれ被害を受けています。
特に18世紀は七年戦争では火薬運搬車が爆破し
さらには放火による火事で
町が壊滅するなど不運が続きました。
現在はそんな爪痕ひとつ残っていないきれいな町。
木組みの家並みも新しめ。
30分もあれば一回りできてしまう小さな町。
狭い路地がたくさん。

 

 

 

 

ボクサー犬のおじいさんが2階の窓から不審者チェック中。

 

 

目抜き通りはカフェやレストラン、ベーカリー
ワインショップお土産屋が軒を並べています。
壁に伝説の誘惑する乙女が描かれている
ホテル&レストラン「ローレライ」。
店内はショップも併設されていて
ワインの他にもジャムなどの特産品も販売。
日本へのお土産にもぴったり。

 

 

 

 

 

 

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